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Internet ExplorerのバージョンとWindowsとの関係

コールセンターコラム
もう12月、2016年も残り1ヶ月を切りました。 12月は「師走」と言われる通り、皆様には多忙な日々を過ごされていることと思います。
2016年から遡ること10年前、2006年にWindows Vistaは発表されました。 そして現在もMicrosoftによるサポートは継続されており、コールセンターへのお問い合わせの中には、今でも「Windows Vista」についてのご質問があります。
問診の結果、再セットアップをご案内することもあるのですが、Windows Vistaの場合、再セットアップによって問題が解決したとしても、他の問題が引き起こってしまいます。
最初に直面するのは、「Internet Explorer」に関する問題です。
■古いIEのバージョンによる問題
現行OS であるWindows10のInternet Explorerのバージョンは「11」です。 それに対して、Windows Vistaに標準搭載されているInternet Explorerのバージョンは「7」です(SP1以上にアップグレードした場合は「8」)。 つまり、Windows VistaのOSを再セットアップすると、初期状態では否が応でもIE7を使用することとなります。   そして、2016年1月12日以降、MicrosoftはWindows VistaでサポートされるIEのバージョンを「9」と定め、それ以前のサポートを終了しました。 詳細は、下記URLのページ(The Official Microsoft Japan Blog) をご覧ください。    https://blogs.technet.microsoft.com/microsoft_japan_corporate_blog/2014/08/08/internet-explorer-2/
これは、Windows Vistaを再セットアップ後は、すぐには以前のように、WEBページを閲覧できない可能性が高いことを意味します。   なぜなら、IE7は現在の環境には適しておらず、正しくWebページを表示できない可能性が高いためです。 表示可能なら、Microsoftのダウンロードページを訪れ、IE9のインストールファイルをダウンロードし実行すればよいのですが、ページが正しく表示されないため、ダウンロードそのものができないのです。
※再セットアップ直後は下記のようにダウンロードページが表示されない。 (ただし、自動更新でWindows Updateが適用されるとIE7でも表示される場合もあり) IE7エラー画面     対処策は、Windows Updateの機能である「自動更新」を繰り返して、Internet Explorerのバージョンを「9」へアップグレードするしかありません。   「IEだけ ”9” にアップグレードするなど、もっと簡単な方法がないのか」 との指摘を頂きそうですが、ダウンロードページが表示出来ない場合は残念ながら方法がありません。   サポートが終了していないとは言え、改めて、Windows Vistaは発表から10年を経過している「古い」OSである、ということを気付かせてくれます。
■同じバージョンのIEでも異なる点がある
前述のとおり、現在のInternet Exploreの最新バージョンは「11」です。 しかし、同じ「11」あっても搭載されているOSによって、サポートされる機能が違うことを皆様はご存知でしょうか。   その一例がこちらです。   A:Windows7搭載PC ブラウザはIE11 B:Windows10搭載PC ブラウザはIE11   動画再生コンテンツを視聴しようとしたが、Bは視聴可能であるが、Aでは視聴できなかった。     この理由は簡単です。 Window7に搭載のIE11は、8.1以降に搭載のIE11に対して、機能制限があります。   ・Media Source Extensions (MSE) Internet Explorer 11 では、HTML5 の Media Source Extensions (MSE) を使った MPEG-DASH メディア ストリーミングのサポートが導入されています。 MSE は、プラグインを使わずにメディア ストリームを動的に変更できる video 要素や audio 要素を拡張します。 これにより、アダプティブ メディア ストリーミング、ライブ ストリーミング、動画のスプライス、動画編集などの処理ができるようになります。   ※重要:Windows 7 の Internet Explorer 11 では、この機能はサポートされていません。   上記内容は、Microsoft MSDNの記事から抜粋。 https://msdn.microsoft.com/ja-jp/library/dn594470(v=vs.85).aspx   ・HTML5 新機能の一つとして、ブラウザ専用の動画フォーマット(Adobe Flash等)のプラグインをブラウザへ追加することなく、新しく追加された「video」タグを利用することで、任意の動画(MP4等)を直接ブラウザ内へ表示することが出来るようになりました。   http://www.htmq.com/html5/004.shtml 上記URLは、HTML5について解説している「HTML5リファレンス」のページです。     該当コンテンツの動画配信方法として、「HTML5」の新機能を利用していたため、AのWindows7では視聴できなかったと考えられます。   つまり、同じIE11でもOSが異なるとサポートされている機能に違いがあるのです。
■備考
変更がなければ、「2017年4月11日」でMicrosoftによるWindows Vistaのサポートが終了します。   サポートが終了すると、セキュリティ更新プログラムの提供等が終了して、システムの脆弱性が新たに発見されても対処されず、非常に危険な状態となります。 特に業務用PCでWindows Vistaを使い続けている場合は、サポート終了を見込んで新しいOSへ環境を移行する準備が必要でしょう。