コールセンターコラムColumn

新型コロナウイルス感染拡大によるGIGAスクール構想の前倒しなどにより、日本でもChromebookが徐々に普及してきています。

Chromebookの主な利点としては、以下のようなものが挙げられます。

　・端末の起動/動作が早い（ユーザプロファイルもクラウド上に配置）

　・価格が比較的安価（高価なCPUや大容量の記憶装置が不要）

　・更新動作が早く、更新サポートも８年以上（Windows10では考えられない）

　・基本的にセキュリティソフトが不要　(サンドボックス等の対策)

　・別の端末からも個人データが確認でき、端末乗り換えも楽

　・バッテリーの持ちが良い

上記のような利点があり、導入が進むのも頷けます。特に低コストであることから、Googleが公開した世界の教育市場における「Chrome OS」のシェア分布図によると、北米ではシェアが60％以上、オーストラリアで40％以上、欧州で20％以上になっています。

日本ではまだ5%ほどですが、今後教育現場での導入を中心に広がっていくのではないでしょうか。

そんなChromebookですが、利点ばかりではありません。

長所を紹介しているサイトは数々公開されているため、今回はあえて課題と、その対策について１つピックアップしてご紹介させていただきます。

〜ChromebookでのWord/Excel/Powerpoint等のファイルの閲覧〜

　特にビジネスで利用する事を考えた場合に大きな課題として立ちはだかるのが、Officeで作成されたファイルの閲覧/編集です。

　Chromebookでは、一応以下のようにG Suiteを利用してOfficeのファイルを閲覧/編集できるとされています。

　・Wordファイル ⇒「ドキュメント」を利用

   ・Excelファイル ⇒「スプレッドシート」を利用

　・PowerPoint ファイル⇒ 「スライド」を利用

しかしながら、OfficeのファイルをG Suiteのアプリで開くと、一応内容はわかるものの、画像や表については体裁が大きく崩れるため、特にビジネスシーンなどでの利用はまだまだです。

　そこで今回ご紹介するのが、MicorosoftのWeb版のOffice(機能制限版は無料で利用可)です。

　※参照：　https://www.microsoft.com/ja-jp/microsoft-365/free-office-online-for-the-web

　※他の方法（ChromeウェブストアやGooglePlayでWord Online等のアプリをインストー　　ル）もあるのですが、2021/01時点で検証する限り、上記アドレスからサインインする方法が、閲覧時に最も元ファイルの状態を忠実に再現できているのではないかと考えています。

Windowsを利用されている方であれば通常Microsoftアカウントを利用されていると思いますが、Microsoftアカウントを利用して上記アドレスからサインインしていただければ、ブラウザを利用してWeb版のOfficeが利用できるようになります。

ただし、Microsoftのサービスとなるため「Googleドライブ」ではなく「OneDrive」を利用してファイルを保存することとなり、以下の様な作業の必要性がでてきます。

例１）Googleドライブに保存しているExcelファイルをWeb版Officeで開く場合は、上記アドレスにアクセスしたあと、Web版Officeの画面（OneDrive）に該当ファイルをアップロードする必要があります。（上記サイトアクセス後、「アップロード」というメニューあり。ドラッグやコピー＆ペーストによるアップロードも可）

例２)  また、上記例１においてWeb版Officeで編集したものはGoogleドライブに自動反映されないため、Googleドライブにある元のExcelファイルを更新する場合はWeb版Officeの画面で編集したファイルをコピーしてGoogleドライブで編集前ファイルに上書きする必要があります。

※無料版では一般的な編集は可能ですが、複雑な図形の挿入や、文書の体裁を細部まで整えるなどフル機能を利用するためにはプレミアム版へのアップグレードが必要です。

現在文書の作成はまだまだMicrosoft Officeの利用が主流ですので、特に社会人の方々がChromebookを利用する際にはOfficeのアプリが入っていないことが課題となり、上記のような対策に迫られる事となると思います。

今回はあえて現時点での課題（今後の改善も期待）をピックアップしましたが、とはいえ、長所も多いChromebook。

利用シーンによっては非常に価値あるものとなるのではないかと思います。

未購入で興味をお持ちの方はさらに情報を検索してみてはいかがでしょうか。