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Windows10から元のOSに戻した際のトラブル事例

コールセンターコラム
2016年も8月に入り、皆様暑い夏をいかがお過ごしでしょうか。   さて、Window10の無償提供期間が7月29日(金)でとうとう終了しました。 無償期間終了までに走り込みで駆け込みでWindows10へのアップグレードをしたが、どうしてもなじめず、元のOSへ戻したいと考える方もいるのではないでしょうか。   Windows10には、アップグレードしてから31日以内であれば、元のWindowsへ戻すことのできる機能が搭載されています。  
 ※関連情報:当コラムで以前ご紹介した記事 「Windows 10にアップグレードしたらパソコンが正常動作しなくなった・・・」 https://www.pct.co.jp/cccolumn20150911-001
  しかし、最悪の場合、元のWindowsにも戻らず、Windows10へ再びアップグレードすることもできず、Windowsそのものが起動しなくなる問題が発生することがあります。 また、一見、元のWindowsへ戻すことができたかのように見えても、実際に使ってみると、アップグレード前にはなかった問題が発生することもあります。   今回は、その事例として、コールセンターにお問い合わせが比較的多い内容である、言語バーのトラブルについて紹介したいと思います。
■事例 Windows7(SP1)からWindows10へアップグレードした後に、回復機能を利用してWindows7へ戻した場合
 Windows7(SP1)搭載PCで、Get Windows10プログラムによってアップデートが実行され、 ・「Windows10にようこそ」画面の「次へ」ボタン   ↓ ・「これは法的文書です」の画面にある「拒否(D)」ボタン
を押してアップデートを回避した場合も、同様のトラブルが発生することがあります。 なお、Windows8.1では現時点でこのトラブルは発生しないようです。
上記事例の場合、無事にWindows7へ戻った後にInternet ExploreでWeb検索等をしようとすると、本来であれば通知領域に表示されている言語バーが表示されなくなります。 確認のためにコントロールパネルを開き、「テキストサービスと入力言語」の「言語バー」タブを見ても設定が正しく、設定を一通りやり直しても、言語バーが表示されない状況に陥ります。
予想される原因は、Get Window10アプリケーションによって、Microsoft-IMEのバージョンがWindows 10用にアップグレードされるも、回復機能でWindows 7へ戻した後、Windows7用のMicrosoft-IMEが正しく復元されないことがあるため、とのことです。
この場合は残念ながら、アップグレード以前の状態へ完全に元へ戻すことはできず、対処療法しか対策がないようです。 では、その方法が紹介されているWebページのURLを以下に記載します。
1.NEC 121Ware サービス&サポート サポート情報に掲載されている方法 https://121ware.com/qasearch/1007/app/servlet/relatedqa?QID=018421
2.富士通 FMVサポートQ&Aに掲載されている方法 https://www.fmworld.net/cs/azbyclub/qanavi/jsp/qacontents.jsp?PID=2108-5866
3.東芝 dynabook.com サポートページに掲載されている方法 http://dynabook.com/assistpc/faq/pcdata2/013587.htm
掲載内容をおおまかに申し上げると、プログラムとファイルの検索から「CTFローダー(ctfmon.exe)」を検索して実行するか、CTFローダーのショートカットファイルを作成してスタートアップフォルダへ保存しておく方法が紹介されています。 なお、CTFローダーのショートカットフォルダをスタートアップフォルダへ保存する方法は一律ではなく、複数の方法があり、NECと富士通では、紹介されている方法に違いがあることに気付かれるかと思います。 (NECと東芝で紹介されている方法はほぼ同じです。) このように、同じトラブルでも、紹介の仕方や対処方法の記載内容が各社で違うことがあるのも、一興かと思います。
この言語バーのトラブルは比較的既知のトラブルであることから、PCメーカー各社のサポートページにその対処方法が記載されています。
■それ以外の事例
それ以外にも、Windows8.1の場合、タイル系アプリ(特に、メール、People、カレンダー)が起動しなくなる、もしくは、Modern UI上から表示が消えてしまう問題などもあります。 この場合、Windowsストアさえ起動すれば、”マイアプリ”からの入れ直しで基本的には改善しますが、必ずではなく改善しない事もあります。また、Windowsストアが起動しない場合は、入れ直しが出来ないため再セットアップをするか、そのまま使用するか検討いただく事となります。
■最後に
OSをアップグレード・ダウングレードする事は、コンピューターを根本的に動かす仕組みである「基本ソフトウェア」の改編とも言えるため、何らかの障害が発生する可能性が高まる、と認識しておく必要があるかもしれません。 Windows10へアップグレードしたが、やはり、元のWindowsへ戻したいとお考えの方は、戻すにしても今回の事例のようなリスクがある点、お忘れにならないようお願いします。