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キッティングする・しない の判断ポイント

技術解説
以前のコラムで「マスタPC作成方法(OS編)」を説明いたしましたので、今回はキッティングをした方が良いか・否かの判断ポイントについてご説明したいと思います。
キッティング「する」「しない」を判断する上で最も重要なポイントは、使用したいAP(アプリケーション)数とPCの台数です。
■判断基準について
まずは大まかな目安なのですが、導入するPC台数が1~10台の場合は1台毎にセットアップする方が、効率的なケースが多くお勧めしています。
ただし、上記の場合でも使用したいAP数が5~10種類以上ある場合は、少数でもキッティングした方が良いケースもあります。
その判断ポイントとしては、自分で1台毎にセットアップ作業をした場合、作業工数(日数や時間数)がどのぐらい掛かるかです。
標準的なケースですが、マスタPC(*1) 作成に約1日、サンプルPCによる動作検証作業に約1日掛かります。その2日間で導入するPCのセットアップ作業が終わるのであれば、あえてキッティングを行う必要はなく、1台毎にセットアップした方が作業時間は短時間で済みます。
(*1) PCをクローニング(コピー)する際、その元となるコピー元のPCの事。
今回は数台だが、今後同型機種を複数台導入する予定があれば、キッティングを利用されるメリットもあります。
■マスタPCに組み込めないケース
前項でAP数が多い場合はキッティングした方が良いと申し上げましたが、APのライセンス形態によっては、マスタPCに組み込めないAPもありますので、ご紹介したいと思います。
・個々にライセンス認証番号があるもの
例としてはプリインストールOfficeの様なAPです。インストール時に個別の認証番号を入力させられます。マスタPCに組み込でしまうと、同じ認証番号を使用したPCを複製してしまうため、ライセンス違反となります。 このケースでは、PC毎にインストールと個別の認証作業が必要です。
・インストール後、個別IDをもつAP
例としては、資産管理ソフト、ウィルス対策ソフトに多いケースです。管理サーバはAPインストール時に作成される個別IDを使用して各PCを管理しています。 この状態でキッティングを行うと同じIDを持つPCが複数台出来てしまうため、管理不能となります。
このケースでは、各APメーカが個別IDを再作成させるツールを提供している場合があります。APメーカがツールを提供していれば、マスタPCに組み込む事が可能となります。ただし、提供が無い場合は、PC毎にインストールするしかありません。
■最後に
キッティングは同一仕様のPCを大量導入する際には、時間短縮を可能にできる有効な手段ですが、何でもコピーできる訳ではなく万能ではありません。 使用したいAP等によっては、意図しない動作をするなど期待した効果が得られない場合もあります。
PCの導入で迷われた時には、お気軽に当社へご相談ください。 キッティングするのに適している仕様か、キッティングするのであれば費用の概算はどのくらいか、などお答えいたします。
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