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マスタPC作成方法(OS編) ~前編~

技術解説
当社で行っているキッティング作業で最も重要なものがマスタPCの準備です。 マスタPCとは、多くのPCの基本となるもので、要件ごとにアプリケーションソフトをインストールしたり、各種設定を施したものを指します。 マスタPCは当社で作成する事もできますが、基本的にはお客様に作成頂く事が大半です。
今回はマスタPCを作成する時のOSの取り扱いについて注意すべき点や考え方をご説明したいと思います。
一般的にはプリインストールOS(パソコンに最初から入っているOS/OEM版などと呼ばれます)に必要アプリケーションをインストールしてマスタPCを作成すると思われるかもしれません。
しかし、メーカ出荷時にインストールされているWindows(プリインストールOS)をそのままキッティング(コピー)する事は出来ません。パソコン製造メーカーにキッティングを依頼する場合はOEM版のままで良いのですが、パソコン製造メーカー以外の企業へ、このような作業を依頼する場合は「Microsoft Open Businessライセンス版」のWindowsに置き換える必要があります。
なぜ、OEM版はそのままキッティング出来ないのでしょうか。 それはOEM版がハードウェアに紐付いているからです。 たとえ同一仕様(型番)のハードウェア間であっても別のハードウェアと見なされライセンス違反となります。ただし、OEMライセンスを提供しているハードウェア製造メーカーだけは例外となります。
OEM版のライセンスはハードウェアに紐付いていてコピー出来ない事から、ハードウェアに紐付かないMicrosoft Open BusinessライセンスでマスタPCを作成する必要があります。
準備するMicrosoft Open Businessライセンスの数量ですが、使用したいOSがPCにプリインストールされている場合は1ライセンスだけあれば十分です。(※注) 何故なら、購入したPCプリインストールOSの使用権利をそのまま行使できるからです。
ただし、使用したいOSがPCにプリインストールされて無い場合は使用するPCの台数分ご購入頂く必要があります。
また、忘れがちなのがOSの認証回数の変更です。初期値は50回となっております。 50台以下の場合は十分なのですが、それ以上の場合は事前に回数を増やしておく事をお勧め致します。
最後にMicrosoft Open BusinessライセンスのWindowsを新規インストールしますので、メーカからドライバの提供があるかを確認し、準備しておく必要もあります。
これでマスタPCのOSインストール準備が整いました。 OSのインストールを始めてみましょう。
後編では、マスタPCに組み込むアプリケーションについてご説明したいと思います。

(注):新規での購入の場合には最低3ライセンス購入する必要があります。また、実際に購入される場合のMicrosoft社のライセンスの詳細については、当社までお問い合わせください。お客様でお持ちのMicrosoft社のライセンスによっては購入の必要がない場合がございます。