コールセンターコラムColumn
Windows Updateとはそもそも何?
コールセンターコラム
Microsoft社は8月3日(日本時間)から、「windows10 Anniversary Update」という、Windows10登場1周年記念と銘打った大幅なアップデートを公開しました。
開発に当たってのコードネームは「Red Stone1」と呼ばれており、「1」ということは、「2」があることを予想させます。(実際に現在、開発中の模様)
ただし、昨年7月29日にWindows10の無償配信が始まった際、全世界で全てのPCが即日にアップデートされた訳ではなく、配信が順次であったように、この「Anniversary Update」も順次配信となります。
そのため、この記事を読まれている時点で、まだ適用されていないPCをお持ちの方がいらしても、ご心配は無用です。
もちろん、この大幅なアップデートは「Windows Update」を通じて配信されます。
また、Windows8.1への無償アップデートも、そして、Windows10への無償アップデートも全て、Windows Updateからの配信が主でした。
しかし、そもそも、この「Windows Update」とはいったい何のか、何のためにあるのかということに疑問を持っている方もいるかと思います。
今回は、「Windows Update」とは何なのか、という説明を進めていきたいと思います。
■Windows Updateとは?
下記は、Microsoft Update(Windows Update)に関する、ウィキペディア掲載記事のURLです。概要や歴史について記載がありますので、興味のある方は訪れてみてください。
・Windows Update
https://ja.wikipedia.org/wiki/Microsoft_Update
ところで、Windows Updateという機能が設けられた目的は、以下のようなものです。
・システムコンポーネントの更新
・セキュリティホールの修正
・Windowsコンポーネントのアップグレード
・追加コンポーネントの配信
・最新デバイスドライバーの配信
Windows Updateは、OSを常に最新の状態に保たせることを主眼としています。
特に、セキュリティホールの更新については、ソフトウェアの脆弱性を修正することを目的とし、Microsoft社は毎月第二火曜日(米国時間)に「セキュリティ更新プログラム」を定期的に配信しています。
今年の配信スケジュールについては「Microsoft TechNet セキュリティ TechCenter」に記載されていますので、興味のある方は訪れてみてください。
・セキュリティ情報リリース スケジュール
https://technet.microsoft.com/ja-jp/security/hh224643.aspx
■OSとWindows Update
言うまでもなく、OSはプログラムの複合集合体です。
開発時には製品として世に出せる、「完成されたもの」を目指して開発されますが、「完成されている」ことと、「欠点がない」ことは同一ではありません。
また「欠点」と「欠陥」も意味合いが異なります。
もしOSに致命的な「欠陥」があった場合、そのOSを搭載したPC全てが一律に動作しなくなるような事態も発生するでしょうが、これまで、そのような重大な欠陥のあったWindows OSはありません。
最新のOSともなると膨大なプログラム群から構成されるため、致命的な欠陥は取り除けても、最初から「欠点のない」OSを世に出すことは、困難と言えます。
だからこそ、後になって見つかる問題(セキュリティホール、アプリケーションバグ等)の修正は必須であり、更に、新しく登場する技術への対応(ドライバ、アプリケーション等、ただし、非対応のハードウェアには配信されない)も求められる条件の一つです。
これを可能にするため、インターネットのブロードバンド化が一般的となった「Vista」以降のWindowsでは、Windows Updateがコントロールパネルの中に組み込まれ、「自動更新」という機能を搭載させ、インターネット回線に接続されていれば、Windows Updateを経由し、自動でOSを最新の状態に保つようになりました。
(注:Windows10では、Windows Updateはコントロールパネルから外され、設定アプリの中に配置されています。)
このようにWindows Updateとは本来、「OSを利用するユーザを守る」という目的を持っているのですが、アップデートという行為は機能上、失敗する場合があり、そのことでご利用のユーザを困惑させるケースもあります。
また、Windows10の無償アップグレードに関しては、コールセンターへお問い合わせ頂く際のユーザのお話として、「勝手にアップデートされた・・・」というお言葉を頂くことが、多々ありました。
このような状況から、Windows Updateや自動更新が、ご利用のユーザにとって「迷惑なもの」と意識されてしまっていた、と言っても過言ではありませんでした。
今回の「Anniversary Update」についても、この状況を更に拡大する要因を含んでいる可能性は、ゼロではないのかもしれません。
それでも、Windows Updateは本来、OSを最新の状態に保つ、すなわち「OSを利用するユーザを守る」ための機能ですので、どうぞ定期的な更新をお忘れのないようお願いします。
■備考
Windows10の「Anniversary Update」では、いくつかの機能や仕様の変更があります。
どのように変わったのか、「マイナビニュース」で特集を組んだ記事が掲載されていますので、興味のある方はご覧になってみてください。
http://news.mynavi.jp/special/2016/windows10anniversary/