コールセンター運営・CS改善ガイド

Windows 10 October 2018 Update について

■プログラムは、なぜ後になって修正されるのだろうか…

 

11月も中旬となりますが、読者の皆様はいかがお過ごしでしょうか。

 

この時期、7歳までのお子様がおられるご家庭では七五三を迎える準備できっとお忙しい(かった)ことでしょうし、また、各地の名所では紅葉が見ごろとなっていることと思います。

それに、今年は七五三とボジョレヌーボの解禁日が同じ11月15日に重なっています。

ワインに興味のない方がおられるとしても、この日は大人にとっても、子供にとっても楽しみ深い日となるのではないかと想像しております。

 

ところで、先月3日(日本時間)、最新の機能更新プログラムである「Windows10 October 2018 Update」(Ver.1809)が公開された後、配信が一時停止される問題が発生したことはご存知の方も多いかと思います。

 

理由は、このアップデートを適用すると、ドキュメントフォルダ内のファイルが消えてしまうトラブルが発生したからで(全てのコンピュータで一律にこのトラブルが発生する訳ではないようです)、このことは下記URLのページでも紹介されています。

 

https://news.mynavi.jp/article/20181007-702994/

(マイナビニュース - Windows 10 October 2018 Update - ファイル消失を受け配信停止中)

 

このトラブルに見舞われたお客様より、私どもコールセンターへお問い合わせ頂くことがあった場合、残念ながら私どもではどうすることもできず、Microsoft Answer Deskへご相談頂きますよう、お願いしておりました。

 

https://support.microsoft.com/en-us/help/4464619/windows-10-update-history

(Microsoft Windows 10 update history - Known issues updating to Windows 10, version 1809)

 

この問題を受けてMicrosoft社はOctober 2018 Updateの配信を停止すると共に、上記ページに記載されている通り、「contact us directly at +1-800-MICROSOFT, or find a local number in your area.」(抜粋、下線は筆者追記)とアナウンスしておりました。

このことは、この問題が私どもでは対処できないことを示しております。

 

「October 2018 Update」に限らず、更新プログラムや修正モジュールが配信されると、適用後に問題が発生することが分かり、コールセンターでご対応できることと出来かねることを含めて、お客様へご迷惑をおかけしたことがこれまでにもございました。

 

このようなことが起こるたび、一部のお客様から、「なぜ、公開されるまでに問題がないかを精査し、確認しておかないのか。『完成』された製品を発表することこそがメーカーの責務ではないのか。」との厳しいご意見を頂くことがございました。

 

正直、反論の余地もございません。

その上であえて申し上げますと、更新プログラムや修正モジュールを含む「プログラム」の後発的な問題をゼロにすることは、言い訳のようですが、正直、困難なのです。

 

私どもコールセンターでは、「プログラムとは何か」という観点から、このことについてお話しをさせて頂くことは差し控えます。

理由は、そのことはプログラマーやSE等の専門職の範疇となってしまうからです。

ただ、PCメーカーのコールセンターとして、「製品」との観点からお話しさせて頂くことならば差し支えないのでは、と考えております。

 

自動車とPCとは同じ製造物でも、前者は人の命を預かる類のものであり、一律に比べることはできない、と以前、このコラムで申し上げたことがあるかと思います。

それは、修理のお問い合わせを頂くお客様の中にはPCが故障したことに納得がいかれず、「不良品」「欠陥品」とおっしゃり、自動車を例に出して、「これはリコールだ」とか、「車ならこんなに簡単には壊れない」との苦言を頂くことをお話しした際に申し上げたものです。

 

それでも、自動車でさえ、設計の段階では分からなかった問題が後になって見つかり、リコールを行うことがあります。これは事実です。

プログラムもソフトウェアもひとつの製品だと考えた場合、設計、開発、ランニングを経て「完成された」製品として発表され、それぞれの現場(読者の皆様の場合はご家庭)で運用(使用)されますが、そうしてから初めて、新たな問題が発見されることがあるのです。

 

そのひとつの例として、Microsoft Edgeのリセットに内在した問題をご紹介します。

 

・Microsoft Edgeをリセットすると「お気に入り」が消えることがある。

 

Microsoft Edgeでトラブル(ポータルサイトが不正請求画面になる等)が発生し、対処策が他にない場合、やむなく「リセット」をご案内することがあります。

Microsoft社側は、Edgeのリセットについては実施しても「お気に入りは保存される」と言っています(が、うがって見ると、「削除されない」とは言っていません)。

                      

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

具体的には、上の画像(Microsoft Edgeのリセット手順の一部)の右側(「Fall Creators Update」以降を参照)をご覧になって頂くと分かるのですが、「記憶域の使用状況とアプリのリセット」ダイアログボックス内のリセットボタンの上には、「この操作を行うと、閲覧の履歴、Cookie、設定などの一部のデータは失われますが、お気に入りは保存されています。」との明確な説明がなされています。

 

それにも拘わらず、一部のユーザー様の環境によっては、リセットを行うとお気に入りが消えてしまうトラブルが報告されているのです。

現時点では、Microsoft社はこの問題に関する修正プログラムを未だ配信しておりません(その予定があるのかどうかも不明です)。

やむを得ない理由でEdgeをリセットされる場合、お気に入りを事前にバックアップしておかれることをお勧めします。

 

このことからも、それぞれのお客様の使用環境、ご利用アプリケーション(ソフトウェア)とその組み合わせが千差万別であることが、要因の一つとなっているのかもしれません。

 

修正モジュールはこのような問題に対処することを目的として配信されます。

(ただし、ありとあらゆる全ての問題に対して配信がなされる訳ではありません。)

Microsoftが毎月定例で配信している「累積的な更新プログラム」もその役割の一部です。

また、セキュリティソフトウェアは新たに発生する脅威に対抗するため、定義ファイルを常に最新の状態にする必要がありますし、Windows10の「品質更新プログラム」もPCを最新の状態にする(セキュリティホールへの対策等)ことが目的です。

 

その意味でも、開発時点から「ありとあらゆること」に対して全てを計算し尽した、要は、「万能とも言える『完成』された」製品をご提供することはできかねてしまうのです。

 

だからと言って、本来、最新の状態を保つために配信されたプログラムによってお客様のPCが使用できなくなるようなトラブルを引き起こすことは、憂慮されるべきことです。

それでも、OS、その修正プログラム、その更新プログラム、いずれもが「プログラム」である以上、設計、開発、ランニングの際に発見できなかった問題がそれぞれのご利用者の環境等から発生し、別途対処しなくてはならなくなることがある、これをゼロにすることはできないのだと、ご理解を頂けるとしましたら、光栄に思う次第です。

 

来月も、当コールセンターコラムをよろしくお願い申し上げます。

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