コールセンターコラムColumn
狩野モデル活用例 / コールセンターの満足度を高めるには?
お電話を頂くお客様の満足度を高めるのは、コールセンターの重要な役割の一つです。
コールセンターのお客様とひとことで言っても、BtoBからエンドユーザーのサポートまで窓口の種類も幅広く、あらゆるお客様を満足させる唯一の方法はありません。
コールセンターそれぞれが、顧客満足度を高める独自の手法を見つける必要があります。
そこで今回は、コールセンターにおけるお客様の満足度を高める方法の一つである、狩野モデルについて解説します。
■狩野モデルとは?
狩野(かのう)モデルは、東京理科大学教授だった狩野紀昭によって提唱された、品質管理の手法の一種です。
狩野モデルでは製品・サービスの品質を5つの要素に分類していますが、今回は実践しやすいように、2種に絞って紹介します。
・当たり前品質
お客様にとって、充足されていて当たり前と感じる品質です。
逆に充足されていないと不満に感じます。
例えばコールセンターでは、電話の繋がりやすさはお客様にとっては当たり前に期待していることです。
これが当たり前品質のひとつにあたります。
窓口が繋がりやすくても当たり前と捉えられて満足にはなかなかなりづらく、逆に繋がりにくいと非常に不満を感じるポイントです。
・魅力品質
期待はしていないがあると嬉しいと感じる品質です。
なくてもお客様は不満を感じません。
例えば、コールセンターで混雑時のコールバックシステムがあると、お客様は混雑時に電話の前で待ち続ける必要がなくなります。
それによりお客様の満足度が上がるでしょう。
しかし、最初からこの機能なかったとしても満足度が下がるとは言えません。
■コールセンターで狩野モデルを活用するには?
狩野モデルでは、当たり前品質を最優先で確保すべきと考えられています。
お客様が当たり前に期待する品質を満たすことができていなければお客様の満足度は著しく下がり、悪評につながる可能性があるからです。
一方で、どれだけここを改善しても「当たり前」以上の満足度は得られにくい品質でもあります。
当たり前品質を確保出来れば、次に目指したいのが魅力品質の確保です。
魅力品質は、期待はしていないがあると嬉しい付加価値の為、お客様の満足度に直結しやすい上に他社との差別化にすることもできます。
ただし、当たり前品質をおろそかにしていると、どれだけ魅力品質を磨いたとしても全体的な満足度は上がりません。
そのため、当たり前品質と魅力品質のどちらかに傾倒するのではなく、①当たり前品質 ②魅力品質 の順でバランス良く管理をしていくことが大切です。
では、コールセンターに電話を頂くお客様は、具体的にコールセンターにどのようなことに期待しているのでしょうか。
弊社が受託しているコールセンターのひとつでは、顧客満足度アンケートを実施しています。
このアンケートのコメントから分析した結果、お客様が次のことを「当たり前」として期待していることが予想されました。
・窓口の繋がりやすさ
・正しい回答を得られること
・対応員の知識が高いこと
特徴は、これらに対する不満コメントはありますが、満足コメントはあまりないことです。
充足されていて当たり前。ないと不満に感じるという「当たり前品質」の特徴と一致しています。
他にも、アンケートにはこのような満足コメントが多く見られました。
・親切、丁寧、わかりやすい
親切な対応、丁寧な言葉遣い、平易な言葉遣いなどは、特にお客様から満足の声をもらいやすい品質です。付加価値として機能する「魅力品質」と言えるでしょう。
■まとめ
コールセンターでお客様の満足度を高める品質管理の方法の一つとして、狩野モデルを活用する方法があります。
まず重視すべきなのが、当たり前品質と魅力品質の二つです。
当たり前品質は最初に確保すべき最も重要な品質であり、魅力品質はさらに満足度を高める付加価値的な品質です。
バランスよく管理することでお客様の満足度を向上させることができる為、まずは自社のコールセンターのお客様が何を期待しているのか?付加価値として何を提供出来るのか?を考えていくようにしましょう。
PCテクノロジーでは、このように顧客満足を重視したコールセンターを運営しています。コールセンターの委託を検討されている方はお気軽にご相談ください。