技術情報コラムColumn
VMware環境上でのLinuxサーバ展開について
技術解説
最近のサーバ構築作業は仮想環境での作業が多くなってきています。
仮想環境(VMware・Hyper-V等)自体の構築や、仮想環境上の仮想マシンへのOSセットアップ等の作業です。
少し前にVMware esxi5.5 の環境上でRedhatEnterpriseLinux7.1(以下RHEL7.1)を構築・展開(クローン)する作業がありましたので、その時に発生した問題と対処した内容等について、簡単に記載したいと思います。
■RHEL7の特徴について
色々なサイトで紹介されていますRHEL7ですが、RHEL6と比べて色々と大きな変更がありました。
記載しだすとかなりのボリュームとなってしまうため、今回は割愛しますが、展開に関連した点についていくつか記載します。
■ネットワークのデバイス名
RHEL6に比べてネットワークインターフェースのデバイス名(eth0、eth1等)のネーミングルールが変更され、enから始まるデバイス名になりました(enoxxxxxxxx)
物理的なデバイスの接続情報に基づいてデバイス名が設定される為、RHEL6の展開時にありがちな問題だった、「展開するたびにネットワークインターフェースのデバイス名が増えていく(eth2、eth3等)」といった問題は解消されていると思います。
※注:RHEL6の展開でも、マスターとなるRHEL6マシンで展開前に設定を行う事で、上記の問題は回避可能です。
■open-vm-toolsについて
VMware esxi上で構築した仮想マシン(Windows・Linux)にはVMware社の「vmware-tools」という管理ツールを
インストールしますが、RHEL7の仮想マシンの場合は「vmware-tools」ではなく、RHEL7に含まれる「open-vm-tools」
というパッケージの利用が推奨されています。
OSインストール時のパッケージ選択次第でインストールされない事もありますので、インストールされていない場合は
「yum」コマンドでインストールします。
■RHEL7.1展開時のカスタマイズについて
VMware vCenterを使用している場合は「カスタマイズ仕様」という機能を使用することで、比較的簡単に仮想マシンの展開が可能ですが、この機能を使用することでLinuxマシンの展開も可能です。ところが「カスタマイズ仕様」を使用してRHEL7.1を展開してもIPアドレスやホスト名がカスタマイズできないという現象が当時発生しました。
確認したところマスターとなるRHEL7.1仮想マシンには「open-vm-tools」の他に追加で「open-vm-tools-deploypkg」というパッケージが別途必要であることが分かりました。
「open-vm-tools」はOSに含まれていましたが、「open-vm-tools-deploypkg」はVMware社からダウンロード・インストールが必要なパッケージでした。
しかし、昨年「open-vm-tools」のアップデートがあり、deploypkgの機能が内包され「open-vm-tools-deploypkg」は不要となりました。
既に「open-vm-tools」と「open-vm-tools-deploypkg」がインストールされた環境で「yum」コマンドを使用したアップデートを実施すると「open-vm-tools」のアップデートに失敗します。
そのため事前に「open-vm-tools-deploypkg」のアンインストールが必要でした。
現在は「open-vm-tools」のみをインストールしておけば良さそうです。
今回のコラムでの説明はここまでといたします。