コールセンターコラムColumn
コミュニケーション能力
私が所属するパソコンのテクニカルサポートを行うコールセンターでは、日々、オペレーターがお客様に合わせたさまざまな方法でやり取りを行っております。
お客様からの質問例として、
「パソコンの電源が入らないので、故障かどうか確認してほしい」
「ブラウザ上で文字が入力できないので、どうしたらよいか教えてほしい」
この様な具体的な内容であれば、現在の状況を確認し、解決策を案内していきます。
対して、
「電源をいれたら昨日と違って画面がおかしい、どうしたらよいか」
こういった抽象的な内容の際は、問題の詳細がこの時点で不明なため、更にさまざまな聞き取りを行い、より状況と質問内容を明確にしてから解決策を案内することが必要となってきます。
他にも、画面異常やエラー表示ではなく、「パソコンは動くがいつもと違う」、というただ違和感を持たれている客様に対しては、お客様の目となり、画面を想像することが重要となります。
様々なお問い合わせがありますが、どのような場合でもご案内するのに重要となってくるのが、わかりやすい言葉、と、目線誘導 です。
たとえば、専門用語を以下のようなわかりやすい言葉に置き換えることがあります。
スタートボタン → 画面の左下にある、窓のような絵
設定 → 窓のような絵をクリックすると出てくる枠の左側にある、歯車の絵
タスクバー → 画面左下の窓の絵から右下の時計が出ている、黒い枠
など
お客様に何か操作をお願いする際は、
お客様の横に立って指差し案内をするように、お客様の現在目線から上下左右、目印をお伝えし、画面確認やクリックを行っていただく目線誘導をします。
案内後、目印を発見してくださったことを確認してから、ひとつずつ進めていくとスムーズにご案内が進みます。
現在の画面状況が把握できれば、より正しい改善への道につながります。
他にも、
・解像度が変わっていた
・画面からすべてのアイコンが消えていた
・タスクバーが消えていた、下にあったものが右に移動していた
・色調がダークモードになっていた
・画面がタブレットモードになっていた
等々、判明してみれば操作で解決できるものが多くあります。
無事元通りになった時のお客様の嬉しそうなお声は、対応している中で何よりの喜びです。
お客様とのコミュニケーションを取る上では、現状説明をしっかりと聴き取ること、わかりやすい言葉で適切な案内を行うこと、を意識して相槌や話の速度を合わせることで、一方通行ではなく、お互いの信頼関係を高めていくことも大切です。
また、アンケートでのお客様のお声として
「チャットでは何を書いてよいのかわからない、
スマートフォンで検索しようとしても文字が小さくて見づらい。
電話での問い合わせは今後もずっと行ってほしい」
といった声も多く、コールセンターの重要性を考えさせられます。
AIや人工音声など技術はどんどん発達していきますが、
お客様の目線に立ち、一人ひとりに沿った対応を行っていくには、
まだまだ人力での対応が必要かと思われます。
対面ではなく声のみだからこそ、わかりやすく伝えることの大切さを持ち続けたいと思います。