コールセンターコラムColumn
『ら抜き・さ入れ』
有名な系列ラーメン店で常連さんが使う注文用語のようですが、毎日必ずと言っていいほど、どこかで誰かが使っている、ら抜き言葉・さ入れ言葉。
いちばん多く耳にするのは、テレビからでしょうか。
特に若いタレントさんが、「食べれる」「やらさせてもらう」と話している画面上では、テロップで、「食べられる」「やらせてもらう」と正しい言葉遣いが補足されています。
このコラムでは、ら抜き言葉に注目して、ちょっとした区別の方法をお伝えします。
ら抜き言葉を使った方が、話しやすく、会話のテンポやリズムも良くなります。
親近感も湧くので、話し言葉として広く使われるようになりましたが、人によって許容度の分かれる表現です。
相手に幼稚な印象を与えてしまったり、言葉が軽率に届いてしまったりする可能性もありますので、企業の窓口を担うコールセンターとしては、正しい言葉遣いで対応するべきと考えます。
しかし、日々意識をして気を付けていても、丁寧語や敬語の使い方ともあいまって、れる・られる、どちらだったか会話の中で判断がつきかね、思わず声に発してしまうこともあります。
私がその判断として実践しているのは、その言葉の最後に、【て】をつける方法です。
【て】をつけた時に、小さいつ【っ】が入る言葉は、「れる」。入らない言葉は、「られる」となります。
例えば、
「切る」に【て】をつけると、「切って」と小さいつ【っ】が入るので、『切れる』
「食べる」に【て】をつけると、「食べて」と、【っ】は入らないので、『見られる』
その他、
「走る」「走って」:走れる 「帰る」「帰って」:帰れる
「取る」「取って」:取れる 「入る」「入って」入れる
「見る」「見て」:見られる 「出る」「出て」:出られる
「寝る」「寝て」:寝られる 「起きる」「起きて」:起きられる
「決める」「決めて」:決められる 「出かけて」:出かけられる
など、確認していくと、日常にあふれているのはら抜き言葉ですが、『ら入れ』言葉も意外と多くあるということに気付かされます。
言葉は時代と共に少しずつ変化していくもので、過去には間違った言葉遣いとされた「的を得る」が、現在では容認されています。
ら抜き・さ抜き言葉も、今後の浸透状況によっては、新しい言葉として同様に容認される可能性もありますが、現段階では文化庁からまだまだ誤用とされています。
【て】をつけるという簡単な方法で区別が可能です。
ビジネスシーンは元より、日常から意識して正しい言葉遣いを身につけていきましょう。