コールセンターコラムColumn
ほめることが苦手
日本人は、ほめることが苦手らしいです。
私は普段、弊社コールセンターの新人研修を担当させていただいております。
新しいことを教え、吸収させることは考える以上に困難で、資料や課題やトークをどのように組み込めばわかりやすいものになるか試行錯誤の毎日です。
しかしながら、用意した資料や課題がどんなにわかりやすく有益なものだったとしても、研修生本人がそれを実際に実施してくれないことにはどうしたって伝わらないし、吸収もしてくれません。
ここでついつい考えてしまいがちなのが、以下のような罰則の追加ではないでしょうか。
・80点以上とらなければ再テストしてもらいます。
・全問解くまで、今日は帰ってはいけません。
・反省文を800字以上で提出しましょう。
・e.t.c…
以下のような実験結果があるそうです。
・ネズミをT字型の迷路に入れます。
・ネズミは右にも左にも行けます。
・右にいけばおいしいエサがあります。
この場合、ネズミはもちろん右にいくことを覚えます。
しかしながら、右にエサをおくかわりに、左に罠をはったらどうでしょう。
ネズミは右にいくようになるでしょうか。
実は、なかなかそうはなりません。
ネズミは、右にいくどころか、迷路に入ることさえしなくなるのです。
※むろん、動物と人間を完全に一緒にはできないとは思われますが…
日本人は、ほめることが苦手だと言われます。
幼いころから学校で減点方式で評価されてきた習性もあるでしょう。家庭環境の違いももちろんあるかもしれません。
実際、研修生のうち何人かは、ほめると、ちょっとどういう顔していいかわからない表情になる方もいらっしゃいます。
そういう場合、ほぼ例外なくぶっきらぼうな態度を取られるのですが、課題に向き合う態度は少なくとも消極的になることはないかと感じています。
むろん、本当に些細なことを、たったひとことほめてあげるだけで、劇的に意欲を向上される方が大半です。
なにより、そのときの笑顔が、こころにここちよいですし。
ほめることが苦手なのは、おそらくほめられることが少なかったから、という原因もあるかと思います。
そんなちょっとさみしい悪循環を断ち切る一助になれればいいなと、昨今とみに感じます。