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PCの修理業務について ~後編~

技術解説
当社でのPC修理業務について、前編では修理品の入荷、検品までをご説明しましたが、後編では本題になります修理の実作業についてご説明いたします。
前編についてはこちらから

6. 診断

筐体の破損やLCDの画面割れなど、物理的な破損の場合は目視で確認を行い、見た目で判断できない故障の場合は診断用のテストプログラムを実行させます。 テストプログラムはHDDやメモリの全体をチェックするため、全テストの終了まで2時間程度かかります。 テストプログラムで判断できないような故障の場合は実際にOSを起動させて確認を行いますが、OSが起動できない場合は用意したテスト用のHDDに交換してからOSの動作確認や負荷テストを行います。

7. 交換部品の選定

ここで正式に必要な交換部品を選定します。 ほとんどは事前に推定した部品と一致しますが、部品が推定できなかった故障はここで初めて部品を特定します。 それでも希に特定した部品を交換しても改善されず、実際は別の箇所が故障していたという場合もあります。

8. 部品出庫

専用の部品出庫依頼書に必要な部品を記入し、修理部品の保管管理者に出庫を依頼します。 在庫がある部品についてはすぐに出庫され、そのまま修理に取り掛かる事が可能ですが、在庫が無い場合は発注が必要になります。 発注した部品は、到着までに1~3営業日ほどかかりますので、依頼元と修理期間の日程調整などの際に注意が必要です。

9. 修理

故障部品の交換を行います。 PCを分解すると同時にPC内部の埃を清掃します。 マザーボードの交換はPCをほぼ分解する必要があり、一番難しいと言えます。 LCDも比較的分解箇所が多く、難易度は高めです。
またデスクトップPCとノートPCでは、ノートPCの方がより精密なため、難しくなります。

10. 動作確認

元通りに組立が終わりましたら再度、診断用のテストプログラムを実行させて、何もエラーが検出されないか確認します。修理前にエラーが検出された場合はそのエラーが出なくなったかも確認します。

11. 清掃

PCを簡単に清掃します。 LCD、キーボードの隙間は汚れがちなので、特に念入りに行います。

12. データ入力

修理完了日、出荷予定日などの情報をデータベースに入力します。

13. 修理報告書の作成

入力したデータベースを元に修理報告書、納品書、受領書を印刷します。

14. 梱包

修理完了したPCは袋型の気泡緩衝材に納め、修理報告書を貼り付けます。 修理品を安全にお届けするため、帯電防止仕様で、当社特注サイズの緩衝材を使用して梱包しています。

15. 出荷

運送業者が依頼元へ修理完了PCを納品します。 また、それと引き換えに、次回分の故障PCを引取ります。

以上が、当社の引取修理の主な流れ(サイクル)となります。 PCの修理についてイメージをつかんでいただけましたでしょうか。

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