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読書のススメ ~読書によって想像力がどのように効果をもたらすか~

技術解説

想像力が向上する 読書の良いところは、自分で読んだ活字からさまざまなシーンを想像できるところです。 

もし仕事や学校、日常生活でトラブルが起きたとしても、想像力が豊かな人は、自分に降りかかるであろう危険を事前に予測し、回避できる脳内シミュレーションが自然とできるようになります。

当然、人は世界で起こることを全て理解し、経験はできません。しかし、本を読むことでその出来事をあたかも自分の経験として追体験することで、様々な状況や感情の移り変わりを想像することができます。

 

例えば、物語の中で悲しい体験をし、その状況を想像することで、死の恐怖を感じ自分のことのように、辛いことが起きた人の気持ちを理解することができるようになるのです。

いじめについても「もし自分がされたとしたら嫌」等、いじめを受けた経験がなくても自分に置き換えて想像ができるようになるのです。

 

世の中で起こっている痛ましい出来事を他人事と感じていなかったり、マニュアル通りにしか動けないのは、他人の心を自分のことのように感じて受け取ることを学んでこなかったためだということなのです。

 

人は想像することによって、世界に起こる様々な事象や出来事と向き合い、自律的に判断や行動、考え方の方向性を決めています。

他者と共に生きていくのも他人を思う想像力があってこそ成立するもので、「人は一人では生きていけない」、すなわち人間にとって、想像力は必要不可欠なものなのです。

 

インターネット社会の現在、情報はIT機器から簡単に得ることができると思われがちですが、年齢や技術的にIT機器を自在に扱えないお年寄りや子どもにとって、直接的な体験を補ってくれる想像力を養えるのは、やはり本、すなわち「ことば」を得ることができる読書という手段が最も有効な手段ということになるのです。

 

一度、普段は読まないタイプの本で様々な世界観を経験して視野を広げ、想像力を育んでみてはいかがでしょうか。