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Windows 11のマルチプラットフォーム化

技術解説

2022年9月21日にWindows 11の最新バージョンである22H2が公開されました。

この更新でWindows 11に色々な新機能などが追加されましたが、個人的に一番気になったのはWindowsに新しいプラットフォームが追加されたことです。

 

一般的にITにおける「プラットフォーム」には2つの意味があります。

 

1つめはOSが動くハードウェア動作環境を指すプラットフォーム。

CPUとしてIntel社やAMD社が提供する「x64」、Arm社が提供する「ARM64」などがあります。

Windows 11はx64とARM64の両方の環境で動くバージョンが提供されており、ハードウェアとしてのプラットフォームはあまり気にしなくても普通に使えるようになってきています。

 

2つめはOS上で動くソフトウェア動作環境を指すプラットフォーム。

例えば「Windows向け」アプリや「iOS向け」アプリなど、各々のOSの機能を利用してソフトウェアは制作されていますので、「iPhoneのゲームを遊びたいのにWindows PCにインストールできない」と相談されても「動作対象のプラットフォームが異なるから無理だよ」という話になってしまう理由ですね。

 

「Windowsで動くのはWindows向けアプリだけなのは当たり前じゃないか」という声が聞こえてきそうですが、近年のWindowsは違ってきていることと、今回のWindows 11バージョン22H2でも更に対応アプリが追加されたことが大きなトピックの1つとなっています。

 

過去にはWindows 10バージョン1709からLinux 向けのコンソールアプリが動作するようになり、Windows 11バージョン21H2ではLinux向けのGUIアプリが動作するようになりました。

これによりサーバ運用などで使われることも多いLinux向けに開発されたツールなどのソフトウェアをWindows上で運用することが出来るようになり、開発中のテストや小規模の運用などのWindows環境のまま行えるようになりました。

 

そして最新のWindows 11バージョン22H2ではスマートフォンやタブレットで使われている「Android」向けアプリが動作する機能が追加されました。

ただしGoogle PlayストアはWindows 11向けに提供されていないため、現状では「Amazonアプリストア」で提供されているAndroidアプリのみとなっており、物足りない部分ではありますが今後のストアの拡充を待ちたいと思います。

 

これからも様々なアプリを実行できる環境としてのWindowsの発展に期待とワクワクが止まりません。