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外来波に起因するトラブルの対応方法について

技術解説
今回は外来波に起因する無線LANのトラブルの主な対応方法を紹介いたします。 外来波については、前回のコラム ( https://www.pct.co.jp/?p=565 ) をご参照ください。

まずは原因の推定

どのような時に通信が不安定になるのかを特定してみましょう。2.4GHz帯を使用する機器で、電子レンジやコードレス電話などを使用したときに無線LANが不調になるようであれば、関連性が疑われます。   他の無線LAN装置との干渉もよく見られるケースです。多くの機器では自動設定にすると干渉の少ないチャネルに変更されますが、必ずしも解消されるとは限りません。   また、前回のコラムにも記載がありますが、5GHz帯の特定のチャネル(W53/W56)を使用する機器では、気象レーダー等の電波と干渉した場合に、一旦電波を停止して他のチャネルに切り替える機能(DFS)があります。この機能が動作した場合は、ほとんどの機器で1分間電波が止まります。5GHz帯を使用していて通信ができなくなる時間が1分間から2分間であるような場合は、無線機器のログを確認してみると良いでしょう。

トラブルに対する対応

・電子レンジやコードレス電話機・Bluetooth機器などとの干渉(2.4GHz帯) 無線機器を干渉元の機器からできるだけ遠くに設置してみます。具体的には15m程度離すのが理想的です。アンテナや機器そのものの方向でも電波の届く範囲が変わりますので干渉の少ないポイントを探してみましょう。   電子レンジの場合は7chから14chが影響を受けるので1chまたは6chを使用してみるのもひとつの方法です。   どのチャネルでも干渉が発生している場合は、5GHz帯を使用するのも良い方法です。使用したい機器が対応しているかどうか確認してみてください。
  ・5GHz帯での干渉 こちらは他のアクセスポイントまたは気象レーダー等の電波との干渉を考える必要があります。気象レーダー等の電波を避ける機能が動作した形跡がある場合は、W52(36ch、40ch、44ch、48ch)を使用します。

    次回は、無線LANの感度について紹介いたします。

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