技術情報コラムColumn
企業でのパーソナルコンピュータ大量導入の流れと注意点
主な流れと注意事項
1.導入機器の検討 お客様の利用環境に適したPCを検討する必要があります。以下は主な検討内容です。
- 形状(デスクトップ/ノート)
- ハードウェアスペック(メモリ/HDD容量/ディスプレイのサイズ・解像度)
- OSのバージョン
- 周辺機器の選定
- 使用するソフトウェアの選定
【注意事項】
- 検討しているPCやOSと、現在、使用しているソフトウェア・周辺機器の適合を確認する必要があります。 また適合していな場合は、後継のソフトウェア・周辺機器導入を検討する必要があります。
- PCで利用するソフトウェアを想定して、メモリ/HDD容量を決定します。
- 複数の周辺機器を同時に使用したいケースでは、USBポートの数・電源容量など確認が必要です。
2.マスターPC作成 100台のPCを導入する場合、その100台を一から全て手作業でインストールを行うとなると、途方もない作業時間を要します。(人に依存する為、設定ミスなどのリスクも生じます。) このようなトラブルを回避するために、導入するPCの元となる環境を決定し、その環境を1台のPCに構築しマスターPCを作成します。
- 仕様の打合せ(インストールするソフトウェアや設定について)
- OSのインストール(ボリュームライセンス版でのインストールが必須)
- OSの各種設定
- ソフトウェアのインストール/各種設定
【注意事項】 クローニング(複製)したPCを大量導入する場合、PC購入時のOS(プリインストール版OS)は使用できません。ボリュームライセンス版というOSを別途入手していただく必要があります。また、他のアプリケーションについても、ライセンスに対して注意が必要です。
3.クローニング用マスターイメージの作成 前項「2」で作成したマスターPCの環境を、他のPCにクローニング(複製)できるマスターイメージを作成します。 マスターPCを、そのままクローニング(複製)はできません。マスターイメージを作成してからクローニングする必要があります。 マスターイメージをクローニングした後の動作検証やマスターイメージを元にリカバリーディスクの作成も行っています。
【注意事項】 Windowsは、各PCにおいて「SID」という固有の識別情報を持たせています。マスターPCを単純にクローニングするだけでは、この「SID」が重複してしまうため特別な処理を行い、その問題を解決します。
4.クローニング・キッティング作業とPCの情報管理 そのマスターPCの環境を複製(クローニング)することで、早く、正確に大量導入を行います。
- マスターイメージを導入PC全台にクローニング
- コンピュータ名の設定、ネットワーク設定、シリアル番号採取、MACアドレス採取
- 管理番号シールの貼付
- OSのライセンス認証、MicrosoftOfficeのライセンス認証
- 管理台帳の作成
- 指定先への機器発送作業
【注意事項】 情報漏えいや盗難、コンプライアンス違反などのリスクを考慮し、上記情報をきちんと管理する必要があります。
5.設置・設定作業とデータ移行 お客様がすぐに利用できるよう作業を実施します。
- 梱包箱からの開梱
- 利用場所への設置
- 社内ネットワーク(ドメイン)への参加
- プリンタ等の周辺機器の設定
- 古いPCからのデータ移行
- 旧機器の撤去
【注意事項】 PCを交換したが、データが残っていなかった。ネットワークへうまく参加ができない。古い機材にデータが残ったままだったなどのトラブルが、企業内、PC導入責任者に集中します。そのため、PC入替直後に増加する問い合わせに対する準備が必要です。
6.導入後の初期トラブル対応 前記、入れ替え作業に伴う、設定ミスによるトラブル、初期不良、OS・ソフトウエアのバージョンアップの影響による操作方法が分からないなどに備える必要があります。
【注意事項】 社内からの問い合わせは、質問事項、質問環境、現象など、よく説明できない方からの問い合わせが集中するため、PC環境をよく理解しているだけなく、問い合わせ内容を聞き出すスキルや対応力が必要になってきます。また、集中する問い合わせに備え、人数を増強することも考慮に入れる必要があります。
7.運用中のトラブル・修理対応 ネットワーク、ソフトウェア、ハードウェアなど様々なトラブルが発生する中で、故障個所の特定、ソフトウェアの設定など診断を行います。
【注意事項】 運用中は、故障診断・修理・代替え機材の調達、再キッティング等 さまざまな作業が発生します。そのため、状況に合わせて迅速に対応できるよう、あらかじめルールを設け機材・体制の準備を行うことが重要です。
8.使用済みPCの対応 使用済みPCの処分については、単純に廃棄を行うのではなく、処分する情報機器内の企業情報(ハードディスク)に対しての情報削除をきちんと行う必要があります。
【注意事項】 企業がPCを処分する際、情報漏えいリスクを考慮し、以下の対処をしておく必要があります。
- 廃棄するPCの資産番号、型番、製造番号、HDD消去方法の記録
- 廃棄するPCのシール等 会社情報がわかるものの抹消 (自社がリスクを負わない為、第三者に委託することが重要)
その他、廃棄コストについても考慮が必要です。(PCは、廃棄ではなく売却を行うことで廃棄損を無くせます)
当社の提供サービス
当社では、上記注意事項に対する問題解決をサービスとして行っております。導入検討・調達 | PC/サーバ IT関連商品販売(商品の選定、ご提案、販売) |
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マスター作成 | |
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