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OSのバックアップ機能に関して

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今回から2回にわけて、Windows 8以降のWindows OSに搭載されているバックアップ機能について、ご紹介させていただきます。 Windows 8以降のOSには、Windows 7の頃の機能が一部名前を変えて残っているとともに、新機能である「ファイル履歴」も搭載されています。 それぞれのツールの位置づけの把握が、特に初心者の方にとっては理解しづらい部分があると思いますが、まず概要を把握できれば、時と場合に応じて有用なツールとして使い分けができるのではないかと考えております。
今回は、OSのバージョンによって名称や利用できる機能も少々異なることから特に複雑に感じられるWindows 7の「バックアップと復元」の後継機能について、その概要をWindows 7の頃から順を追ってご説明させていただきます。
※注: 2016年2月に弊社コールセンターで実施した実機検証結果に基づいて本記事を掲載しております。

●はじめに(Windows 7の「バックアップと復元」について)   まず、大もとになるWindows 7の「バックアップと復元」について説明します。 Windows 7には、「バックアップと復元」という機能が搭載されていました。この機能を利用すれば、ファイルのバックアップに加えて、システムイメージのバックアップも可能です。 「システムイメージのバックアップ」を簡単にご説明すると、“パソコン全体の状態をまるごとバックアップして、まるごと戻す”方式です。データだけではなく、各アプリケーションのインストールおよび設定の状態や、OSの各種設定等もふくめて、パソコンの状態をすべてまるごとバックアップ時の状態に復元します。 OSのシステムファイルも含めて復元されるため、パソコンにトラブルが発生したときに、OSのリカバリーの用途として利用することも可能です。
Windows 7の「バックアップと復元」の画面は以下の画像1のような構成となっており、システムイメージバックアップ専用のツール(左側の「システムイメージの作成」)と、ファイルのバックアップ+設定次第でシステムイメージのバックアップも含められるツール(右側の「ファイルのバックアップまたは復元」のバックアップツール)の2つのツールが存在しています。 右側の「ファイルのバックアップまたは復元」のバックアップツールを利用すると、定期的に自動でバックアップすることも可能となっており、バックアップ間隔は日単位~月単位まで選択でき、バックアップ対象はドライブやライブラリー、フォルダー単位で選択できます。
※詳細な操作手順につきましては、マイクロソフト社や各パソコンメーカーのホームページの情報をご確認願います。     ※画像1:コントロールパネル – システムとセキュリティ - 『バックアップと復元』の画面 Widows7 バックアップと復元 以後、Windows 8~Windows 10まで、この機能と同等の機能がOSに搭載されていくこととなりますが、画面の名称や、一部利用できる機能の変遷があり、そのことが全体像を把握しにくくする要因となっているのではないかと考えられます。 次の項から、各OSにおける特長を述べてまいります。

●Windows 8の場合   Windows 8でも、Windows 7の「バックアップと復元」の機能は、ほぼそのまま引き継がれました。ただし、「バックアップと復元」の画面の名称は、「Windows 7のファイルの回復」という名称が使われています。   ※画像2:コントロールパネル – 『Windows 7 のファイルの回復』 の画面 Windows 7 のファイルの回復

●Windows 8.1の場合   Windows 8~Windows 10の中で、Windows 8.1のみ特に特殊な状態となっています。以下の画像3のように、新機能「ファイル履歴」の画面の左下のリンク「システムイメージバックアップ」のところをクリックすると、Windows 7「バックアップと復元」の「システムイメージの作成」と同様の画面が表示され、システムイメージのバックアップが実施できます。一方で、「バックアップと復元」のファイルのバックアップ機能に相当する機能は見当たりません。 Windows 8.1の場合は、このようにシステムイメージのバックアップのみが引き継がれている状態となっています。   ※画像3:コントロールパネル – システムとセキュリティ – ファイル履歴 の画面 Windows8.1  ファイル履歴

●Windows 10の場合   Windows 10になると、従来の「バックアップと復元」と同様の画面構成が復活しました。ただし、画面のタイトルについては再度変化しており、「バックアップと復元(Windows 7)」となっています。 ※画像4:コントロールパネル – システムとセキュリティ – 『バックアップと復元(Windows 7)』の画面 Windows10 バックアップと復元

いかがでしょうか。このように同様の機能をもつツールが、OSの変遷とともに、微妙に形を変えて存在していることを把握することで、このバックアップツールへの理解が深っていただけましたら幸いです。
Windows 7の頃の機能を継続している、という点から考えると、特にWindows 10においては、今後のメジャーアップデートで、その存在がどのように変化してくのか未知数ではありますが、現時点ではOS機能としてシステムイメージのバックアップができるのはこの機能のみということもあり、まだまだ利用できるツールではないでしょうか。     次回は、Windows 8から登場した新機能である「ファイル履歴」についてご紹介させていただきます。同じようにファイルをバックアップする機能としては、Windows 7の頃にも「以前のバージョンの復元」という簡易ファイルバックアップ機能が存在しましたが、Windows 8以降の「ファイル履歴」はコントロールパネルからアクセスできる代表的なOS標準バックアップツールとなっており、機能面でみても大きく異なる便利なツールとなっています。
そちらもご覧いただいたうえで、さらにシーンに応じた使い分けをご検討いただき、快適なパソコンライフの一助となることを願っております。

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