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サーバとパソコン

技術解説
1. サーバとパソコンの違い

いきなり質問ですが、サーバとパソコンの違いはご存知でしょうか? サーバもパソコンもCPU、メモリ、HDDなどの基本的な構成はほとんど同じです。
サーバは企業にとって大切なデータや、重要なアプリケーションを動作させる大切な役割を担う事が多いため、長期間安定動作を行う必要があります。 対してパソコンは、少々語弊がありますがそれほど重要な業務を動作させないため、一般的に使われる安価な部品で構成されている場合が多いです。 従いましてパソコンは、起動しない、画面が映らないなどの故障がよく発生します。
昨今では、“サーバが故障する”≒“業務が停止する”と言っても過言ではないほど日々の業務においてサーバは重要な機器となっています。(実際にはサーバに蓄えられたデータや業務システムが重要です) サーバに使用する部品は高性能なのは当然ですが、特に高信頼性なものを使用しています。
それでもやはり機械ですので故障はします。ただし、サーバの場合は重要な部品を多重化(冗長化)して1つの部品が故障してももう1つの部品で業務を継続できるような仕組みが組み込まれています。
次項ではサーバの多重化(冗長化)の技術に関しましてほんの少しですが、ご紹介させて頂きます。

2. 多重化(冗長化)技術

サーバの多重化(冗長化)の技術としましては以下のようなものがあります。   a. 部品レベルでの多重化  

  • ハードディスク
  •  複数のハードディスクを束ねる技術。(RAID-1 などのディスクアレイ構成)
     
  • ネットワーク
  • 複数のLANアダプタを束ねる技術。(Windows Server 2012の LBFO機能や、各NICベンダが提供するNICチーミング機能) 
     
  • 電源装置
  • 複数の電源装置を搭載し、電源装置を多重化する技術。 1台が故障した場合でも他の電源が電源供給し続けます。
     
  • 冷却用FAN
  • 複数の内部冷却用FANを搭載し、内部冷却用FANを多重化する技術 1台が故障した場合でも他のFANが冷却し続けます。
     
  • メモリ
  • メモリミラーリング・・・メモリを二重化し、両方のメモリにデータを書き込みます。 メモリスペアリング・・・予備メモリを待機させ、運用メモリで問題が発生した場合、待機メモリに切り替えます。
     
  • CPU
  • 2個以上のCPU(コア数ではありません)を搭載している場合、1つのCPUに障害が発生した場合に残りのCPUで処理を継続します。(CPU縮退機能)

b. サーバレベルでの多重化(ソフトウェアレベル)  

・ NEC製クラスタリングソフト「CLUSTERPRO X」などのHAクラスタリングソフトウェアを使用して、複数台のサーバを束ねて高可用性を実現します。

c. サーバレベルでの多重化(ハードウェアレベル)  

・ NEC製の「Express5800/ftサーバ」などの、単体サーバでの可用性を追求した無停止型サーバ(フォールト・トレラント・サーバ)を使用します。 システム停止につながる障害の原因となりやすいサーバのハードウェアを二重化して格納。 リアルタイムに同期させることで万一のハードウェア障害でも停止しない高可用なシステムを実現します。

3.まとめ

昨今のサーバは一見しただけではパソコンとなんら変わらない程、コンパクトで安価なものもあります。しかし、そのようなサーバでももちろん中身は立派なサーバです。 業務で使用する大切なデータをパソコンの内蔵ハードディスクや外付けUSBハードディスクに保存して運用している場合は、まずはコンパクトで安価なサーバの導入をご検討してみてはいかがでしょうか。きっと価格以上の安心感を得ることが出来ると思います。
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