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PCの修理業務について ~前編~

技術解説
当社ではPCの修理を行っており、主に官公庁、学校、リース会社からの修理依頼を承っております。 他にも取引のあるお客様から故障したPCが直接送付されてくる事もあります。
今回はそのうち、とある修理の一連の流れについてご紹介いたします。

― とある修理の流れ ―

1. 依頼

お客様から毎週決まった曜日に修理依頼書が送られてきます。 台数は毎週10~20台ですが、機種はある程度決まっていてA4系ノートPCの割合が多く、標準保証は終了しているものの、オプションでメーカーの延長保証を選択している場合が比較的多いです。

2. データ入力

修理依頼書を参照しながら、PCの型番、製造番号、故障内容などの情報を社内のデータベースに入力します

3. 交換部品の仮選定

故障内容から使用する部品を事前に推定しておきます。 ほとんどは実際に診断してもこの時点で推定した部品と一致しますが、OSでエラーが発生すると言うような曖昧な故障内容ですと推定が難しくなります。
以下に主によくある故障内容と原因部品の一例を示します。あくまで一例で、現象が必ずしも記載した故障に直結するわけではないことをご了承ください。

 
◎画面が暗い バックライトが不点灯の場合は、LCD、マザーボードのどちらにも故障の可能性がありますので、切り分けが必要になります。
 
◎PCが起動しない マザーボード、電源ユニット、CPU、メモリなどに故障の可能性がありますが、中にはメモリがスロットから抜けていた事例もあります。
 
◎OSが起動しない HDD(ハードディスクドライブ)の故障が一番多いですが、中にはソフトウェアの障害で故障ではない場合もあります。 HDDが故障していると、PCの電源投入後になかなか起動しない場合やOS使用中にエラーや再起動が発生する場合があります。
 
◎USBポートが認識しない USBポートの中が破損している場合がありますが、ソフトウェアの障害で故障ではない場合もあります。

4. 入荷

運送業者によって故障PCが当社に入荷します。 後述の「15.出荷」で、運送業者が依頼元へ修理完了PCを納品する際、それと引き換えに、今回分の故障PCを引き取ります。

5. 検品

修理依頼書の型番、製造番号が実際に納品された故障PCと一致しているか確認します。 修理依頼書に未記入の項目や誤記があった場合は、ここで実機を確認してデータベースに入力、修正します。

これで、修理品が当社に入荷し検品が完了しました。 この後いよいよ修理作業に取り掛かるのですが、少々長くなりましたので、詳細は次回「PCの修理業務について ~後編~」でご説明したいと思います。

        【PCの修理業務について ~後編~】