コールセンターコラムColumn
4K出力対応のPCで何ができるの?
2018(平成30)年、あけましておめでとうございます。
新しい年が明けましたが、読者の皆様はいかがお過ごしでしたしょうか。
さて、新年を迎え、読者の皆様の中には家電製品の買い替えを考えていらっしゃる方も多いのではと思います。新しいPCを購入される場合、その決め手となる「目玉」があるかと思いますが、最近は「4K(出力)対応」のPCを検討されている方も多いのでは無いでしょうか?
「4K」はPCだけでなく、民生用のTVでも「目玉商品」として、盛んに宣伝されています。
「4K」について詳細を知りたい方は、以下のURLを訪れてください。
http://panasonic.jp/viera/digital_fun/whats_4k.html
Panasonic Digital Fun! そもそも4K対応テレビって何?
注:このページの紹介は、Panasonic製品の販促を意図するものではありません。
このページの記載の通り、4K画像の解像度は「3840x2160」であり、フルハイビジョン(1920x1080)の4倍を誇ります。
解像度が高くなるということは、画素数が多くなることを意味しています。
画素数が多くなれば、それだけ画像がきめ細かになり、画面の精細度が高くなります。
4Kコンテンツは現在、「hulu」や「Netflix」などの有料のインターネット配信サービスで先行して提供されています(You Tubeは無償提供)。また4K対応カメラをお持ちであれば、撮影した動画を4Kで視聴できますし、「Ultra HD Blu-Ray」(以下UHD Blu-Ray)もコンテンツが充実して来ています。
ではここで、どのような4K対応のPCが発売されているのか、2017年発表のモデルに絞って、代表的な例を挙げてみましょう。
★各社の4K出力対応PC
NEC →DA970/HABシリーズ「プレミアムモデル」
http://nec-lavie.jp/products/dap/
富士通 →LIFEBOOK AHシリーズ(GRANNOTE)
http://www.fmworld.net/fmv/ah_g/?from=ah_g_float
この2社の製品は各々、「UHD Blu-Ray」の再生に対応することを謳っています。
「UHD Blu-Ray」について詳細を知りたい方は、以下のURLを訪れてください。
http://kakaku.com/kaden/article/4k-ultra-hd/
価格.com Ultra HD Blu-Rayの魅力
このページを訪れて頂くと一目瞭然なのですが、「UHD Blu-Ray」と「4K対応」のTV又はディスプレイは一対をなすものである、と言えます。
4K対応TVを持っていても、「UHD Blu-Ray」対応のレコーダーを持っていないと、インターネット配信サービスや自分で撮影した4K動画以外に4K画像を楽しむことはできません。要は、「4K」を堪能したければ、再生から表示まですべて「4K」対応する製品(例:4K対応TVとUHD Blu-Ray対応のレコーダー)へ買い替えるべきだと言うことです。
翻って、4K(出力)対応PCの場合、搭載ディスプレイはもちろん「4K」対応であり、更に、「UHD Blu-Ray」の再生も可能な場合がほとんどです。
先にご紹介した2社の製品はいずれも、UHD Blu-Rayの再生に対応しています(*)。
(*)LIFEBOOK AHシリーズは別途、対応したソフトウェアのダウンロードが必要。
ここまでを見ると、PCの買い替えを検討されていて、かねてから4K画像への興味も持たれていた方には、4K対応PCは、まさにうってつけの製品と思えるかもしれません。
だからこそ、正直に申し上げるのですが、「4K」対応製品に過大な期待を持たれることは、おやめください。
それは、「4K」には対応TVも抱えている共通した問題があるからです。
★4K対応TV(PC)は、「4Kテレビ放送」は視聴できない。
2018年12月から、BS波で4Kテレビの本放送が開始される予定となっています。
ところが、現在発売されている「全て」の4K対応製品では、この4Kテレビ放送を視聴することは「できません」。
4Kテレビ放送を受信するには、本放送の開始時期に合わせて発売されるであろう「専用チューナー」の別途購入が必要なのです。
このことについては、以下に紹介するWebサイトの記事で解説されています。
興味のある方は訪れてみてください。
http://www.sankei.com/premium/news/170625/prm1706250017-n1.html
産経ニュース 4Kテレビでは4K本放送が見られない!? 来冬に向けて混乱も
これは、現在ただ1社、4K放送を行っている「スカパー!4K」でも同じです。
「スカパー!4K」は、「スカパー! 4K 総合」と「スカパー! 4K 映画」の2チャンネルを展開していますが、視聴するには「4K用衛星アンテナ」と「専用チューナー」が必要です。
要は、4K放送を受信するには、機器の別途購入が必須である、ということです。
更に申し上げれば、「地上デジタル」波の4K放送は実現の見込みが未だ立っていません。
このことについて興味のある方は、以下のURLを訪れてみてください。
https://4k8ktv.jp/2015/11/29/chidezi-4k/
4KテレビLife 地デジで4K放送は実現しない。
もし、読者の皆様で、「4K対応PC(TV)を購入すれば、4Kテレビ放送も視聴できる。」とお考えの方がいらっしゃったら、どうぞご注意ください。
★4K(出力)対応PCの「標準ディスプレイ」は「HDR」に未対応
「HDR」 →「High Dynamic Range」の略称。
従来のSDR(Standard Dynamic Range)に比べて、より広い明るさの幅(ダイナミックレンジ)を表現できる技術のこと。
「HDR」について詳細を知りたい方は、以下のURLを訪れてみてください。
http://www.eizo.co.jp/eizolibrary/color_management/hdr/index.html
EIZO株式会社 よくわかる、HDR徹底解説! HDRとは
実は、NEC、富士通両社製品とも、標準(4K対応)ディスプレイは「HDR」非対応です。
「HDR」に対応した「UHD Blu-Ray」コンテンツはすでに発売されていますが、それを入手し、再生したとしても、両社製品では「SDR」に変換されてしまい、「UHD Blu-Ray」が持つダイナミックレンジの幅を体験できないのです。
「4K」対応なら、「HDR」にも「もちろん」対応しているだろうとお考えの方がいらっしゃいましたら、ご注意ください。
これまで述べてきましたことを要約すると、次の通りとなります。
○民生用4K対応TV
TVのみの場合は、インターネット配信コンテンツの4K動画や4K対応カメラで撮影した動画しか楽しむことができない。
対応レコーダー(プレーヤー含む)があれば、「UHD Blu-Ray」を視聴することが可能(ただし、「HDR」で楽しむにはすべての機器が対応している必要あり。)
例:HDR対応の4K対応TV →SHARP LC-50U45
http://www.sharp.co.jp/aquos/products/lc50u45_4k.html
注:このページの紹介は、SHARP製品の販促を意図するものではありません。
○4K対応PC
PCのみで、インターネット配信コンテンツの4K動画と、「UHD Blu-Ray」対応のコンテンツ再生が可能。ただし、現状「HDR」再生には対応していない事が多いので注意が必要。
○両者共通
本年12月に本放送を予定しているBS波の4Kテレビ放送は、4K用の衛星アンテナと専用チューナーを別途購入しなければ、視聴不可(スカパー!4Kも同様)。
地上デジタルの4K放送は見込みすら立っていない。
以上の様に、4K動画視聴には多くの制限がございますので、十分にご留意ください。
最後に、2018年戌年、最初の「コールセンターコラム」、いかがでしたでしょうか。
長くて読みにくかったかも知れませんが、これに懲りず、どうか本年もよろしくお願い申し上げる次第です。
またのご来訪をお待ちしております。