技術情報コラムColumn

HDD(ハードディスクドライブ)のお話

技術解説
パソコンの部品の中でHDD(ハードディスクドライブ)はwindowsなどのOS(基本ソフト)やアプリケーション、写真や動画など、様々なデータが入っている特に重要な部分です。 そんな大事なHDDですが、一番壊れてはいけない部品なのに、一番壊れやすい部品でもあります。   当社はパソコンの保守や修理業務も行っていますので、HDDのトラブルにはよく遭遇します。今回はそんなとてもデリケートなHDDの基本的なお話をしたいと思います。
HDDはその名前の通り、アルミニウムやガラス素材の硬い円盤(ディスク)にデータを記録しています。 データを記録したり、データを読み込んだりするときは、ヘッドと呼ばれる部分をディスクに近づけて行います。(実際はディスクの回転による空気の流れによって飛行機のように浮いている) そのヘッドとディスクの隙間はなんと10nm(ナノメートル:10億分の1メートル)です。ちなみに、たばこの煙の粒子が約200nmなので、いかに小さいかがわかります。   この状態で毎分5千回転~1万回転という高速でディスクが回転しているわけですから想像以上に精密に出来ていることがおわかりいただけたと思います。 しかし、あまり聞きなれない大きさの単位ですので、イメージがわかないかと思います。よく例えるのが、ジャンボジェット機がヘッドの大きさだったとすると、約1mmの高さを飛んでいるのと同じことになります。     この状態で万一衝撃を与えたらどうなるか? 想像することは簡単ですね。     このようにHDDは非常にデリケートな部品です。 特にノートパソコンの場合は、移動して使用するケースも多く、HDDアクセスランプが点滅しているときは特に衝撃に注意してください。   通常、物理的に壊れたHDDから失われたデータを復旧することは困難です。 壊れたHDDからデータを復旧するサービスも存在しますが、特殊な機器や設備を使用するため費用がかなり高額で、これらのサービスでも復旧が困難なこともあります。 そのため万が一に備え、日頃からバックアップをお取りいただく事が重要です。