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システムの復元で何ができるのか?

コールセンターコラム
ネットサーフィンの最中に、意図せず悪意のあるソフトウェアをダウンロードしてしまい、消せなくなる事態に直面して慌ててコールセンターへ連絡されるユーザーは現在でもいらっしゃいます。
このような場合、ダウンロードしたファイルの素性もわからず、個別の対処が困難なことからコールセンターでは「システムの復元」をご案内することがあります。
システムの復元   上記リンクは、ウィキベディアに記載されている「システムの復元」に関する記事です。  
■「システムの復元」の概要
システムの復元は、今から16年間前の2000年に発売された「Windows Me」から搭載されました。 「Me」のシステムの復元はまだ草創期であったためか、ユーザーが作成したファイルにも影響を及ぼす機能でした。   「Me」でシステムの復元を実行すると、選択した復元ポイント以後にマイドキュメント等へ保存したファイルも消えてしまいました。 「XP」以降ではその点が改善され、基本的にはユーザーが作成したファイルには影響が及ばないように再設計されました。    システムの復元を実行すると、実行時に選択したWindowsに記録されている「復元ポイント」の時点まで、システムが書き戻されます。 これにより、悪意のあるソフトウェアへの感染等、何らかの原因によって個別対処が困難なトラブルに見舞われた場合、システムを過去の状態に書き戻し、問題の原因がなかった頃に戻す(なかったことにする)ことで、問題の解決を図るのです。   それでも、OSのシステムを過去のある時点まで戻す、という重要なシステムファイルを書き換える作業であることから、「確実」に成功する、失敗しないとは言えず、失敗した場合、Windowsが起動しなくなる危険性をはらんでいます。
■コールセンターでの「システムの復元」の案内とユーザーの勘違い
前述のとおり、失敗した場合にはWindowsが起動しなくなる可能性もあるため、コールセンターでは、復元ポイントの選択はおおよそ「1ヶ月」以内を目安としています。 それ以前のポイントを選ぶと、失敗する確率が増すことが懸念されるからです。 また、念のためデータのバックアップを行って頂くよう併せて案内します。   ところで、システムの復元は「復元ポイント」すなわち「日付」を選んで実行します。   「日付を選ぶ」、「過去に戻る」   これは時に、ユーザーが勘違いしてしまうことがあるようです。 例として、次のような少々困ったお問い合わせを頂くことが、稀にあります。     「期限の切れたソフトウェア(Microsoft Office 2010 2年ライセンス版、フリーソフトウェアの試用期間等、利用できる期間が定められているもの)をもう一度利用したいので、システムの復元方法を教えてほしい」     システムの復元自体の案内はもちろん可能なのですが、このような場合、システムの復元を実行したとしても、問い合わせ頂いたユーザーの意図が叶うことはありません。 このようなユーザーとお話ししていると、「システムの復元」を実行すれば、本当にタイムスリップするかのように、パソコンの日付そのものが「過去に戻る」との認識を持たれている様子があります。     さて、Windowsはどうやって日付を認識しているかというと、「BIOS」(Basic Input Output System、PCのメイン基盤にあるチップセット)の時刻情報を参考にしています。 そのため、システムの状態を過去に戻しても、Windowsは常に最新の日付を取得します。
■参考情報
PCの電源を入れると日付が何年か前に戻っていて、日付と時刻の設定から元に戻しても、電源を落とし、もう一度電源を入れるとまた、昔の日付に戻ってしまう場合は、BIOSへ電源を供給している内蔵電池が切れているか、もしくは、その周辺基盤が故障している可能性があります。 この場合は、コールセンターへ連絡し、修理の相談をお願い致します。