4月は児童生徒の入学や先生の異動などで、新しい環境に変わる時期です。
学校の校務支援システムにも、児童生徒の情報や先生の情報を新たに取り込む必要がでてくるため、この時期には、校務支援システムのコールセンターへの問い合わせも増加する傾向にあります。
お問い合わせの内容としては、上記のことを含む操作方法等、似たような内容が多くなります。
そこで最近の傾向として、質問者からの問い合わせにAIが回答するチャットボットサービスを使おうとする動きがあります。
チャットボット(chatbot)とは
チャットボットは「対話(chat)」と「ロボットの略(bot)」を組み合わせた言葉で、AI(人工知能)を活用した自動会話プログラムになります。
あらかじめ想定される問い合わせ内容と回答をボットに登録しておくことで、問い合わせ者はチャットボットをとおして、適切な回答を得ることできます。
チャットボットで回答出来ない場合は、人間の対応員への切り替えすることで対応が行われます。
Apple社の「Siri」やGoogle社の「Googleアシスタント」、Microsoft社の「Cortana」などもチャットボットを利用したサービスになります。
チャットボット利用のメリット
チャットボットを利用する際の質問者側からのメリットは、気軽に問い合わせができることと言われています。
質問を入力すると、AIが答えの中から適切なものを答えてくれるため、急いでいる時に有効です。
また、ちょっとした疑問で、わざわざ電話して問い合わせするのが面倒だったり、問い合わせすること自体が恥ずかしいと思ってしまったりする場合でも、チャットボットであれば、誰にも気兼ねなく、迷惑もかけることもないため、問い合わせが気軽にできます。
大手ではIBM Watson※1やNEC 自動応答※2など、各社での開発も進んでいます。
今後の教育分野でのAI活用
また、教育の分野でもAIを活用した教育を行っているところもあり、学習塾※3で先生役をAIが担ってきているところもあります。
基本的な情報や説明を、AIに任せることができれば、先生は時間とエネルギーに余裕が生まれ、その分を児童生徒に充てられるようになり、将来的に時間のかかる評価などの作業が自動化されれば、先生の働き方改革にも繋がっていくのではないでしょうか
AIの目覚ましい進歩で教育利用での可能性が広がることが楽しみです。
※1 IBM
https://www.ibm.com/watson/jp-ja/
※2 NEC
https://jpn.nec.com/auto-rep/index.html
※3 学習塾
http://toyokeizai.net/articles/-/205922
■Windows10における、品質更新プログラム等の公開後のトラブル
Windows10では「機能更新プログラム」(年2回)と「品質更新プログラム」(米国時間毎月
第四火曜日)が配信されること(これにWindows8.1、Windows7を合わせて対象とする、毎月第二火曜日に配信される「累積的な更新プログラム」含む)は、過去の記事で触れました。
これらは、各PCメーカーの壁を越えて、Windows10がインストールされている全てのPCへ向けて配信されます。
ところが、「品質更新プログラム」であれ、「累積的な更新プログラム」であれ、配信後にコールセンターへのお問い合わせが激増することがございました。
例として、2月下旬から3月初めにかけてのことですが、お客様からのお問い合わせ数を示す指数が突然、営業開始直後から、通常の何倍もの数値に跳ね上がっておりました。
お問い合わせ頂いたお客様からのご申告を伺ってみると、
・スタートボタンが反応しない(右クリックのみ、左右クリック両方)
・デスクトップのアイコンをクリックしても反応しない。
・設定ボタンをクリックしても反応しない(スタートボタンの左クリックは反応)。
とのトラブルが発生しておりました。
しかも、難解なトラブルについて、対応員から解決策の相談を受けるリーダーは、類似する相談を複数回に渡って受けており、お問い合わせ数の激増は、先に挙げたトラブルが多発しているためであろうことを想像させました。
スタートボタンが反応しないトラブルは過去にもあるのですが(*)、詳細な頻度の数値はご容赦頂くとして、そのことが入電数を増大させ、対応員に電話がつながるまでお客様を長時間お待たせする状況となってしまったのです。
(*)http://121ware.com/qasearch/1007/app/servlet/relatedqa?QID=018911
NEC LAVIE公式サイト →Windows 10でデスクトップアイコンやスタートボタンを
クリックしても反応しない場合の対処方法
(更新日:2018/02/21)
正直に申し上げて、このようにお問い合わせ数が急激に増え、お問い合わせ内容が共通している傾向性が見受けられても、突然であるが故に、私どももすぐには状況を把握することが出来かねてしまいます。
要は、せっかくお問い合わせを頂いたとしても、その時点で「有効で」「確実な」改善策を持ち合わせていないことがあるのです。
先に挙げたトラブルでは、まず、私どもからは一例として
・「高速スタートアップ」を一時的に無効して再起動。
⇒左右ボタンともクリックできない場合はキーボード操作で実行。
・「高速スタートアップ」を無効にして再起動。
⇒左右ボタンともクリックできない場合は、キーボード操作でコントロールパネルを
表示し、そこからはマウス操作で進む。
との対処策(あくまで、これで改善するかどうか)をお試し頂くようご案内しました。
ところが、再起動を行うも、「おまちください」と表示されたまま一向に再起動がかからないトラブルが発生する場合もあり、正直、更なる困惑が生まれました。
致し方なく、お客様へはこのまま1、2時間はお待ち頂き、それでも再起動しない場合はやむを得ず、強制終了する以外には手段がないことをご説明するしかありませんでした。
要は、お電話口で簡潔に解決を見届けることが困難な状況であったために、お客様へは折り返し連絡のお約束をし、頃合いを見計らってお電話を差し上げたところ、ほとんどの場合はトラブルが解決しておりました。
(残念ながら、「解決していなかった」ケースもあって、こうなりますと、システムの復元、再セットアップへと進まざるを得ませんでした。)
Microsoftが正式な見解を出していないことから、トラブルとの因果関係を証明することは出来かね、明確には申し上げられないのですが、このトラブルはMicrosoftが第四火曜日に配信した「品質更新プログラム」に起因する可能性がありました。
なぜなら、トラブルが発生した時期と配信の時期が近似していたからです。
ところがしばらくすると、このお問い合わせは鳴りを潜めるようになりました。
このことが更に、トラブルが「品質更新プログラム」による可能性を匂わせたのです。
そう、鳴りを潜めたのは、Microsoftがこのトラブルを把握し、その後、修正プログラムを配信したことにより、トラブルが終息したのでは、と勘繰らせました。
実は、それ以前にも、このようなことがあったのです。
■Windows 10 Ver.1709へ「KB4074588」をインストールするとマウスやキーボードが反応しない。
「KB4074588」は、米国時間2月14日(火)、Windows Updateを通じてMicrosoftから配信された「累積的な更新プログラム」の一部です。
このトラブルが発生した際も、お問い合わせを頂いた当初は情報がなく、先ほどご紹介しました「高速スタートアップを無効にして再起動」から始めましたが改善せず、システムの復元をご案内せざるを得ませんでした。
この際も、Microsoftからこのトラブルに関する正式な見解は(今でも)出ていません。
結局、多方面から情報を集めたところ、Windows 10 Ver.1709環境下で「KB4074588」がインストールされた場合、このようなトラブルが起こることが推測されました。
そこで、「マウス(タッチパッド含む)のみが反応」「キーボードのみが反応」「キーボードもマウスも反応しない」状況を想定し、「KB4074588」を削除する方法をコールセンター内へ情報展開、お問い合わせ頂いたお客様へご案内したところ、問題を回避できました。
今では、このトラブルに関する情報がいろんなサイトで紹介されています。
その一部のサイトのURLを以下に紹介します。
興味のある方は、訪れてみてください。
https://freesoft.tvbok.com/cat97/2018/avoiding-trouble-kb4074588.html
ぼくんちのTV別館 →KB4074588でマウス・キーボード操作不能になる問題の回避
方法、なるべくダメージを受けない様にする方法
ただし、「KB4074588」はWindows Updateを介して「自動更新」されます。
要は、一旦削除しても、時間が経てば、否が応でもインストールされてしまいます。
私どもとしては、Microsoft側がこの問題の改善を含めた、最新の更新プログラムを配信するまで待って頂くよう、ご説明するしか術がありませんでした。
(現在は、問題に対処した更新プログラムが配信されているようです。)
今更なのですが、メーカー製PCに搭載されているOS(Windows10)のサポートはご存知の通り、メーカーが行います。
ところが、以前にも申し上げた通り、「機能更新プログラム」「品質更新プログラウ」「累積的な更新プログラム」の配信は、メーカーを問わず選ばす、Microsoft側が一括して全世界へ配信します。
ところが、本来は言葉通りPCを最新の状態に保ち、脆弱性を改善するために配信されていて、ほとんどの場合はその役目を果たしているとはいえ、仮に、一部で逆に問題を惹起させているとしても、まず、問題が起こったら、メーカー製PCをお持ちのお客様がお問い合わせされるのは、私ども、PCメーカーのコールセンターです。
しかし、私どもの頭を飛び越えて行われていることであるが故に、起こっている問題に対して、私どもでは改善策を持ち合わせていない場合がございます。
その際は、改善できるかもしれない可能性のある対処策からご案内するため、短時間で簡潔に解決までお導き出来かねることもございます。
この旨、ご理解を頂けると致しましたら、幸いです。
来月も、当コールセンターコラムをよろしくお願い申し上げます。