ICT支援員は、ICT機器を使用して授業支援を行います。1年間を通しての授業支援を終えていくと同時に先生方と新学年に向けての準備を行います。

今回は、新学年を迎える準備の一部をご紹介したいと思います。

 

①導入済み機材の整備

導入されている機材のアップデートが必要であるかを確認します。例えば、電子黒板のような大型ディスプレイ、授業で使用するパソコン、タブレット端末などアップデートを行うことで、事前にトラブル防止・回避を行う事ができます。

但し、自治体によってファームウェアのアップデートや各種ドライバーを更新する際、教育委員会への申請・相談や保守業者への対応依頼となる場合もある為、報告体制を確認した上で整備を行う必要があります。

※9月コラム:ICT支援員としてのトラブルシューティングを参照。

 

②新しく導入された機材の利用準備

 新学年を迎える前に新しい機材が導入されるケースが発生した場合は、視聴覚担当もしくは機材管理を行っている教職員の方々と打合せを行います。

例えば、機材の保管場所・使用方法の資料作成が必要であるか・ラベル作成し貼り付ける場合はフォーマットの確認を行い、新学年が始まった後スムーズに利用が出来るよう準備を行います。

 

③ICT関連の校内研修について打合せ

 ICT関連の研修は、学校により求められる内容が異なります。例えば、新たに異動された教職員の方がすぐに授業で活用ができるようICT機器の使用方法を伝達する事や教職員の方へむけた情報モラル強化を図る事を目的とするケースもあります。

 ICT活用を推進する担当の先生方と打合せを行う際は、以下の要点を抑えておきます。

  1.研修講師の確定(例:校内の教職員・外部講師・ICT支援員など)

  2.研修を行う日程と研修時間の確認

  3.研修のテーマ

 

最後に

 学年末は、児童生徒の卒業式や修了式があり、先生方は異動や授業準備を行うなど多忙な中で新学年を迎える準備を行います。弊社のICT支援員は、先生方と状況を確認・相談をしながら、学校内でのICT活用を円滑にすすめる事ができるようご支援を行っています。

※補足:学校現場により導入されている機材や運営方針が異なる為、今回のコラムが当てはまらないケースもあります。

学習指導要領の改定についてICT支援員に求められてくること

 

「10年後になくなるなる仕事」について、雑誌やインターネットなどでご覧になった方もいらっしゃるかもしれません。

これは、オックスフォード大学 准教授 マイケル・A・オズボーン博士の論文「雇用の未来-コンピューター化によって仕事は失われるのか」にて著されたものです。

この論文は、米国労働省が定めた702の職業をクリエイティビティ、社会性、知覚、細かい動きといった項目ごとに分析し、それぞれの職業の10年後の消滅率を割り出したものになります。

 

さて、学習指導要領が10年ぶりに改定されることをご存知でしょうか。

先日、小・中学校の学習指導要領改定案が公表されました。

今回公表された学習指導要領は、2018年度には移行措置が始まり

 ・小学校は2020年から

 ・中学校は2021年から

全面実施される予定となっています。

 

次期学習指導要領の取りまとめにあたり審議された内容の中の資料の抜粋で以下のような内容がありました。

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とりわけ最近では、第4次産業革命ともいわれる、進化した人工知能が様々な判断を行ったり、身近な物の働きがインターネット経由で最適化されたりする時代の到来が、社会や生活を大きく変えていくとの予測がなされている。“人工知能の急速な進化が、人間の職業を奪うのではないか”“今学校で教えていることは時代が変化したら通用しなくなるのではないか”といった不安の声もあり、それを裏付けるような未来予測も多く発表されている。

(注釈17)

子供たちの65%は将来、今は存在していない職業に就く(キャシー・デビッドソン氏(ニューヨーク市立大学大学院センター教授))との予測や、今後10年~20年程度で、半数近くの仕事が自動化される可能性が高い(マイケル・オズボーン氏(オックスフォード大学准教授))などの予測がある。また、2045年には人工知能が人類を越える「シンギュラリティ」に到達するという指摘もある。

 

【参照】

文部科学省 教育課程部会 教育課程企画特別部会

「次期学習指導要領等に向けたこれまでの審議のまとめ」「第1部 学習指導要領等改定の基本的な方向性」「2.2030年の社会と子供たちの未来」より抜粋

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このように今後10年~20年程度で今ある仕事の半数以上が変わる可能性があり、今回の学習指導要領改定の狙いを文部科学省は「覚えた知識がどんどん塗り替えられていく時代に、ただ知識を持っているだけでは通用しない。知識を使いこなし、試行錯誤しながら課題を解決する力を学校教育で養う必要がある」と、しています。

そのため、今回の学習指導要領改定にあたっては様々な点で変更ポイントがあります。

 

●主な変更ポイント

・小学5、6年の英語を教科化し3、4年に外国語活動を前倒し

・小学校のプログラミング教育を必修化

・全教科で「主体的・対話的で深い学び」の視点による授業改善を図る

・読解力を育成するため小中の国語で語彙(ごい)指導などを拡充

・主権者教育、防災教育など現代的課題への対応も重視

 

【外国語学習について】

現行「小学校5年生」から始まっている「外国語活動」の開始時期が「小学校3年生」から開始に早まり、「小学校5年生」から正式な教科「外国語科」として教科書を利用した学習となります。

この結果、小学校3年生~6年生までは各学年35コマずつ増えることになります。

また、中学校の英語は授業を原則英語で実施することになりそうです。

 

【プログラミング教育の必修化】

情報活用力を重視。

論理的思考力を身に付けるための学習活動として小学校ではコンピューターを動かすための指示を体験するプログラミング教育も必修化となりました。

 

【主体的・対話的で深い学び(アクティブ・ラーニング)】

「何を学ぶか」が中心だった従来の指導要領から「何ができるようになるか」を明確にし、そのために「何を」「どのように」学ぶかに重点を置きました。

そこで、答えのない問題に挑む力をつけさせる授業として、先生が一方的に教える形ではなく、討論やグループ活動など「グループで議論」をしたり、「議論の結果を発表」したり、さらに「ディベート」や「調査学習」といったことを盛り込み、子どもたちが主体的に学ぶことに重点を置きました。

この学習方法は先生から一方的に教えられるのではなく、思考力や判断力といった自ら考える力を育てるのに効果があるとされます。

 

私たちICT支援員はICT機器を用いた授業について先生方の授業をお手伝いさせていただく機会が多くなってきました。

今回の学習指導要領改定でのポイントの一つである「主体的・対話的で深い学び(アクティブ・ラーニング)」においては、タブレットPCの活用を含めたICT機器は重要になるといわれており、ますますICT支援員への期待も強まりそうです。

 

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■学習指導要領とは

全国のどの地域で教育を受けても、一定の水準の教育を受けられるようにするため、文部科学省では、学校教育法等に基づき、各学校で教育課程(カリキュラム)を編成する際の基準を定めています。これを「学習指導要領」といいます。

 「学習指導要領」では、小学校、中学校、高等学校等ごとに、それぞれの教科等の目標や大まかな教育内容を定めています。また、これとは別に、学校教育法施行規則で、例えば小・中学校の教科等の年間の標準授業時数等が定められています。  各学校では、この「学習指導要領」や年間の標準授業時数等を踏まえ、地域や学校の実態に応じて、教育課程(カリキュラム)を編成しています。

 

【参照】

文部科学省 ホームページ「現行学習指導要領・生きる力」「学習指導要領とは何か?」

http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/idea/1304372.htm

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4月12日(日本時間)、Windows Vistaの延長サポートが終了します。

 毎年3月は年度末。

 学校も、会社も、官公庁も、日本では毎年4月に年度が始まり、翌年3月に終わります。

 なので、年は「2017年」に改まっていますが、現在はまだ、「2016年度」です。

 3月を迎え、世間ではいろんなもの、いろんなことが「終わり」を告げます。

 

 年度末、とは意味合いが異なりますが、これまで続いてきたものに終わりが来るという観点で述べますと、来る4月12日(日本時間)をもって、Windows Vistaの延長サポートが終了します。

 

 ロングセラーを記録し、好評を博した「Windows XP」が、3年前の2014年4月9日にサポートを終了したことは記憶に新しいと思います。

 そして今回、とうとう、Windows Vistaにもその時期がやってきました。

 

 ご存じの通り、サポート期間が終了すると、Windows Updateによる「セキュリティ更新プログラム」の提供が行われなくなり、今後、該当するOSの脆弱性が発見されたとしても、対処されることはありません。

脆弱性が発見されても改善されないOSを使用し続けることは、セキュリティの観点から非常に危険であるため、所有者には早急な対応が求められます。

対応は言うまでもなく、最新OS搭載PCへの乗り換えです。

 

ロングセラーでもあり、その使いやすさが人気でもあったWindows XPのサポート終了が正式に発表された際には、搭載PCが業務用途でも幅広く使用されていたことから、社会に大きな波紋を巻き起こしました。

 影響の大小こそあれ、既存のWindows OSのサポートが終了するということは確実に、社会へ波紋を起こすのです。

 

 その理由は、Windows搭載コンピュータはすでに、デファクトスタンダードと呼ばれる、事実上の世界標準のインフラとなっているからです。

 

 ただし、Net Applicationsが毎月発表している、今月2017年1月のデスクトップOSのシェアランキングを参考にすると、Windows Vistaのシェアは第10位(Mac OS、Linuxよりも下位)、「1.06%」しか占めていないことから、Vistaのサポート終了による混乱は、XPの時ほどではない、と予想されます。

 (下記URLは、上述のデータを紹介している「マイナビニュース 企業IT」のページ。)

 http://news.mynavi.jp/news/2017/02/02/344/

 

 それでも、WindowsNT3.1 →Windows2000との「NT系Work Station」の流れを受け、Windows Vistaを業務用PCに採用した企業が少なくないと考えられ、アプリケーションの互換性の問題から現在も入れ替えることなく、導入当時の環境そのままに使用しているとすれば、運用当事者にとって、Windows Vistaのサポート終了は最大関心事だと思われます。

 

 しかし、サポート終了は待ってはくれません。再延長もありません(XPが良い例です)。

 Vistaの延長サポート終了を前に、日本のPCメーカー各社では、啓発を促すことを目的としたホームページを開設しています。そのうち、2社のページを以下に紹介します。

 

 ・NECのホームページ(マイクロソフト社のWindows Vista延長サポート終了に関して)

 http://121ware.com/navigate/support/info/20170202/

 ・富士通のホームページ(Windows Vista サポート終了相談室)

 http://azby.fmworld.net/vista-end/

 

 なお、NECが開設している該当ページには、「Windows製品のサポートライフサイクルについて」という、Microsoftの公式ホームページのURLが記載されています。

 

 ・Windows 製品のサポート ライフサイクル について

 https://www.microsoft.com/ja-jp/windows/lifecycle/default.aspx

 

 このページには、Windows XP、Windows Vista、Windows7、それぞれのサポートの終了日が明確に記載されています。

 また、「サポートライフサイクルの例」も併せて記載されており、

 

 ・RTM へのサポートはServicePack1提供から24ヶ月後

・ServicePack1へのサポートはServicePack2提供から24ヶ月後

・ServicePack2へのサポートはServicePack3提供から24ヶ月後

・ServicePack3へのサポートはそのものの提供から24ヶ月後

 

と、これも明確です。

どうか、参考になさってください。

 

余談ですが、このページによると、Windows7のサポート終了は「2020年1月14日」。

東京オリンピックが開催される年です。

まだまだ先のようですが、あと3年です。今から準備の必要がありますので、パソコンの入れ替えなどのご相談は早めに当社までお問い合わせください。