学校で扱う書類や学校内の会話には個人情報がたくさん含まれています。 ICT支援員として学校で業務を行う場合、様々な個人情報を目や耳にする機会が多くなります。 最近では「個人情報を含む情報は一切取り扱わない」という支援員もいるようですが、そのようなことを言っては業務が成り立たない場面が多々あります。
ICT支援員はもとより、ビジネスの現場においても個人情報の取り扱いには十分に注意しましょう。
●改めて「個人情報」の定義
個人情報保護法 第2条より抜粋
1. この法律において「個人情報」とは、生存する個人に関する情報であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)をいう。
2. この法律において「個人情報データベース等」とは、個人情報を含む情報の集合物であって、次に掲げるものをいう。
   特定の個人情報を電子計算機を用いて検索することができるように体系的に構成したもの
   前号に掲げるもののほか、特定の個人情報を容易に検索することができるように体系的に構成したものとして政令で定めるもの
【重要なポイント】
・基本4情報(個人に関する情報)
氏名、性別、生年月日、住所 上記の情報は、住民基本台帳から入手可能な情報のため「住民基本4情報」と呼ばれています。
・個人情報の定義の明確化
健康診断の情報や体力テストのデータ、アレルギー対応の必要な情報
・要配慮個人情報
不当な差別や偏見が生じないよう、人種、信条、病歴などが含まれる個人情報は、本人の同意を得てから取得することが原則義務化されました 家庭の状況や子どもの病歴などの情報を取得することは、教育的な配慮を行う上で必要な情報です
・匿名加工情報
特定個人を識別できないように個人情報を加工したものを「匿名加工情報」と定義 学校行事などをホームページなどで掲載するときに個人が特定できないよう写真の画素数を落とすなどがこれに当たります
●こんな時は?学校での個人情報の取り扱い
例1)個人情報が記載された緊急連絡網をクラスの保護者に配布してよいか 学校が緊急連絡網を作成することについては、法律上の問題はありません。 ただし、子どもたちの氏名や電話番号の個人データが記載されていますので第三者に配布するには本人の同意を得ることが必要です。 緊急連絡網の使用目的や配付範囲を明確にし、保護者の了解を得ることが大切です。
例2)学校行事で保護者がビデオを撮影しているのは個人情報保護法に照らして問題ないか 私的に撮影することについては、法律上問題ありません。 ただし、保護者がその映像をインターネット上に公開する場合などが考えられますので、事前に使用目的を保護者会や文書などで確認し、使用目的を逸脱しないための意識を喚起することが大切です。
●最後に
当社では、ICT支援員の業務を担当しているか否かに関わらず、全社員に個人情報保護の教育を実施し、適切な保護措置を講ずる体制を整えています。 社員一同、個人情報保護の徹底に努めております。
【当社関連ページ】 個人情報保護に対する考え方 http://www.pct.co.jp/privacy
【参考情報】
首相官邸「個人情報の保護に関する法律」 http://www.kantei.go.jp/jp/it/privacy/houseika/hourituan/
学校と個人情報保護 http://www.schoolprivacy.net/index.html
当社のICT支援員、および文教関連の事業・サービス
■文教ICT総合サービス http://www.pct.co.jp/itservice/education
教育機関のICT機器に関するコールセンター対応から、ICT支援員派遣・ICT機器の資産管理など様々なサービスをご提供いたします。
■文教ICTハイブリットサポート http://www.pct.co.jp/itservice/ict_hybridsupport
コンタクトセンターによる電話サポートと、ICT支援員による現地サポートを融合した当社独自のサービスです。 30年以上にわたり、パソコンや周辺機器などICT機器を中心としたコールセンターの運営をしてきた「PCテクノロジー」だからこその技術力・品質をご提供いたします。
もう12月、2016年も残り1ヶ月を切りました。 12月は「師走」と言われる通り、皆様には多忙な日々を過ごされていることと思います。
2016年から遡ること10年前、2006年にWindows Vistaは発表されました。 そして現在もMicrosoftによるサポートは継続されており、コールセンターへのお問い合わせの中には、今でも「Windows Vista」についてのご質問があります。
問診の結果、再セットアップをご案内することもあるのですが、Windows Vistaの場合、再セットアップによって問題が解決したとしても、他の問題が引き起こってしまいます。
最初に直面するのは、「Internet Explorer」に関する問題です。
■古いIEのバージョンによる問題
現行OS であるWindows10のInternet Explorerのバージョンは「11」です。 それに対して、Windows Vistaに標準搭載されているInternet Explorerのバージョンは「7」です(SP1以上にアップグレードした場合は「8」)。 つまり、Windows VistaのOSを再セットアップすると、初期状態では否が応でもIE7を使用することとなります。   そして、2016年1月12日以降、MicrosoftはWindows VistaでサポートされるIEのバージョンを「9」と定め、それ以前のサポートを終了しました。 詳細は、下記URLのページ(The Official Microsoft Japan Blog) をご覧ください。    https://blogs.technet.microsoft.com/microsoft_japan_corporate_blog/2014/08/08/internet-explorer-2/
これは、Windows Vistaを再セットアップ後は、すぐには以前のように、WEBページを閲覧できない可能性が高いことを意味します。   なぜなら、IE7は現在の環境には適しておらず、正しくWebページを表示できない可能性が高いためです。 表示可能なら、Microsoftのダウンロードページを訪れ、IE9のインストールファイルをダウンロードし実行すればよいのですが、ページが正しく表示されないため、ダウンロードそのものができないのです。
※再セットアップ直後は下記のようにダウンロードページが表示されない。 (ただし、自動更新でWindows Updateが適用されるとIE7でも表示される場合もあり) IE7エラー画面     対処策は、Windows Updateの機能である「自動更新」を繰り返して、Internet Explorerのバージョンを「9」へアップグレードするしかありません。   「IEだけ ”9” にアップグレードするなど、もっと簡単な方法がないのか」 との指摘を頂きそうですが、ダウンロードページが表示出来ない場合は残念ながら方法がありません。   サポートが終了していないとは言え、改めて、Windows Vistaは発表から10年を経過している「古い」OSである、ということを気付かせてくれます。
■同じバージョンのIEでも異なる点がある
前述のとおり、現在のInternet Exploreの最新バージョンは「11」です。 しかし、同じ「11」あっても搭載されているOSによって、サポートされる機能が違うことを皆様はご存知でしょうか。   その一例がこちらです。   A:Windows7搭載PC ブラウザはIE11 B:Windows10搭載PC ブラウザはIE11   動画再生コンテンツを視聴しようとしたが、Bは視聴可能であるが、Aでは視聴できなかった。     この理由は簡単です。 Window7に搭載のIE11は、8.1以降に搭載のIE11に対して、機能制限があります。   ・Media Source Extensions (MSE) Internet Explorer 11 では、HTML5 の Media Source Extensions (MSE) を使った MPEG-DASH メディア ストリーミングのサポートが導入されています。 MSE は、プラグインを使わずにメディア ストリームを動的に変更できる video 要素や audio 要素を拡張します。 これにより、アダプティブ メディア ストリーミング、ライブ ストリーミング、動画のスプライス、動画編集などの処理ができるようになります。   ※重要:Windows 7 の Internet Explorer 11 では、この機能はサポートされていません。   上記内容は、Microsoft MSDNの記事から抜粋。 https://msdn.microsoft.com/ja-jp/library/dn594470(v=vs.85).aspx   ・HTML5 新機能の一つとして、ブラウザ専用の動画フォーマット(Adobe Flash等)のプラグインをブラウザへ追加することなく、新しく追加された「video」タグを利用することで、任意の動画(MP4等)を直接ブラウザ内へ表示することが出来るようになりました。   http://www.htmq.com/html5/004.shtml 上記URLは、HTML5について解説している「HTML5リファレンス」のページです。     該当コンテンツの動画配信方法として、「HTML5」の新機能を利用していたため、AのWindows7では視聴できなかったと考えられます。   つまり、同じIE11でもOSが異なるとサポートされている機能に違いがあるのです。
■備考
変更がなければ、「2017年4月11日」でMicrosoftによるWindows Vistaのサポートが終了します。   サポートが終了すると、セキュリティ更新プログラムの提供等が終了して、システムの脆弱性が新たに発見されても対処されず、非常に危険な状態となります。 特に業務用PCでWindows Vistaを使い続けている場合は、サポート終了を見込んで新しいOSへ環境を移行する準備が必要でしょう。